★TVXQ★
□Step by Step
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-ジェジュン-
「今日だよな?転校生が来るのって」
…あぁ、確か昨日先生がそんなこと言ってたっけ。
「カワイイ女の子だといいなぁ」
どっちでもいいよ、別に。
「なぁ…聞いてる?ジェジュン?」
聞いてるってば…
今日は朝から『転校生』の話題で持ち切りで、教室にいるみんなが勝手な妄想をして騒いでる。
隣の席のこいつも興味津々で話題を振ってくる。
転校生がどんなヤツか想像するなんて馬鹿みたいだ。
だいたい想像通りのヤツが来るわけないし…
「なぁ、もしカワイイ女の子だったらジェジュン席代わってくれよな」
…そっか。
俺の隣の席、空いてんだっけ。
てことは、その転校生の世話してやれ…とか言われるんだろうな…
めんどくせぇ…
「…と言うことで、キム・ジェジュン。転校生にいろいろと教えてやってくれ」
ホームルームで『転校生』の話を始めた先生が俺に向かってウィンクした。
うげ…
冗談でも止めてほしい。髭生やした男にウィンクされても嬉しくも何とも無い。
いや、むしろ迷惑だろ…
「てか、せんせ〜!まだ転校生紹介されてませ〜ん」
誰かがみんなの心の声を代弁した。
その言葉に教室が笑いに包まれる。
「それじゃあ、転校生くんに入場してもらおうかな」
わざとらしく咳ばらいして先生が言った。
『転校生くん』てことは男かよ。
同じ世話すんならカワイイ女の子のほうがいいよなぁ。
先生が廊下のほうに声をかけると、ガラッとドアが開いて『転校生くん』が入ってきた。
頭の後ろで軽く束ねてある長い茶色の髪の毛が歩く度に軽やかに揺れる。
その髪型のせいか、どこか色気を感じる。
「はじめまして…チョン・ユンホです」
少し緊張気味に笑顔を作るユンホ。
なんか…
色っぽい…
って、俺は何考えてんだ?
「よろしく…」
すぐ近くで声がして顔を上げると、隣の席に座ったユンホがニコッと微笑んだ。
その笑顔に思わず見とれてしまった…
男に見惚れるなんて…!
どうかしてる…
邪念(?)を振り払うようにブンブンと頭を横に振って自分を取り戻そうとした。
「…大丈夫?」
そんな俺を心配そうに見つめるユンホ。
「あ…えっと…うん、大丈夫」
アハハ、と照れ笑いしながら「ヨロシク」と挨拶すると、ユンホも小さく笑った。
心なしかユンホが寂しそうな顔をしたのは気のせいだったのかな…
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