★B1A4★

□B1A4★西遊記
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時は昔、唐の時代。
場所は中国、とある岩山。

この岩山に閉じ込められた憐れな猿が一匹…。

さて、物語はここから始まるのでございます!




一体、どれくらいの時間が経ったんだろう…

何時間?何日?何カ月?何年?何百年???

数えるのも飽きるくらい長い時間。

オマケに体の上に重たくのしかかる岩山。

そこに、うつ伏せの状態で挟まれて、外に出てるのは手首と頭だけ。


…動けないのはツライ。


こうなる前は自由自在に山や空を駆け巡ってたってのに。


あ〜…つまらん。


だいたい、ちょっと暴れたからってこんな仕打ちは酷過ぎる。

天上界がなんだってんだ。

釈迦や菩薩がなんだってんだ。


俺様は《斉天大聖》チャ・バロ様だぞ!


…と、頭の中で威勢をはってても実際は声を出すのもツライ状況。

がっくりとうなだれるバロの視線の先には、何年たっても変わらない砂ばっかりの地面だけ。

変化があるといえば、春に小さな花が咲いて、冬に雪が積もる…ただそれだけのこと。



いっそ死んでしまった方が楽かもしれないけど…

天上界で《長寿の桃》なんか食ったばっかりに…


あの時の自分が恨めしい!!



でも…


長寿の桃…

うまかったなぁ〜


桃かぁ…


食いてぇ…


腹減った〜〜〜〜〜〜!!!!!




暴れん坊の岩猿も、憐れ身動きとれぬ岩の下!

心の叫びは高い青空に虚しく消えていくのでありました!





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