novel*h

□獣
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『人は、本能を失った動物だ。』

そう聞いたことがある。
では、今俺の目の前にいるのは、一体なんだと言うのか。




【獣】







「ひ…っあぁ…っ!!」

総司の長い指が、俺の敏感なところを掠める度に
自分のものとは思えない程、高く上擦った声が洩れる。


「すご…一君のナカ、熱くて…
とろとろする…」

「……言う…っ、なぁ…!!」

「そろそろ、いい?」

「ひぅっ…!」


中でバラバラに動いていた3本の指が一気に引き抜かれ、
その感覚に声があがった。

後孔に感じる喪失感。

しかし、すぐにそこに総司のモノがあてられる。


その先の快感を期待して、俺の身体は、ひくりと震えた。








「あっ…あ…っん、ひあぁ…!」

「ん…、気持ち、いい?」

「うぁ、ん…っ!ふ…ぁ」

「そっか、返事もできないくらい、いいんだね…っ」


目の前には、俺の汗で濡れたシーツ。

それをめいっぱい握りしめて、与えられる強い刺激に反抗するように、
己を繋ぎ止める。

俺は、総司に背を向け、尻をつきだす体勢で。


「はじめくん…はじめ、くん…」


ナカを深く抉りながら、背中に
ちゅ、ちゅ、と軽いキスを落としてくる総司。

その感覚にも、びくびくと身体が反応してしまう。


「ぅ、はぁ…っ、あ…ぁ」

「可愛い…はじめくん、すごく可愛い…っ、!!」


「うあぁ…っ!あ、そう…っじ…!!も…っだめ…ああぁぁ!!!」


そう言った途端、俺の身体は
視界が眩む程により激しく揺さぶられた。


前立腺に打ちつけられた瞬間、痛いほどに張りつめていた俺のモノは、
触れられてもいないのに、どくどくと精を吐き出す。


「あは、もうイっちゃったんだ」


後ろから降ってきた総司の声は、どことなく嬉しそうで…
…それでいて、欲にまみれていた。


(…総司の…顔が、見たい…)


射精のあとの怠惰感に揺られながら、そう思い、思わず後ろを振り向くと…

熱く涙と欲に濡れた、翡翠の視線と交差する。


その瞬間、俺のナカの総司自身がズクリと疼き、その質量を増す。


「…っ!!」

「やだなぁ、そんな目で見られたら…止まらない、じゃない…っ!」

「うあぁ……っ!?」


驚いたのも束の間、ぐるりと身体が反転させられ、
内側が擦られる感覚にまた声があがった。




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