novel*h
□日向ぼっこ
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(うぁ…眠い…)
5時間目の体育が終わり、6時間目は嬉しいことに自習。
だが、
(体育の後の自習とか、睡眠時間以外の何者でもないだろ…)
俺は一人で机に突っ伏して、睡魔に身を任せようとしていた。やることもないしな。
すると、後ろで騒いでる奴らが投げた、くしゃくしゃに丸めたプリントが頭に当たった。
一瞬目が覚めて、そういえば、と、あることを思い出した。
(沖田、どこ行こうとしてたんだ?)
ついさっき、体育館から教室に向かっているとき、沖田を見かけた。
周りの奴らがそれぞれの教室に歩いている中で、一人だけ反対方向に歩いてて。
しかも、3年生は3階のはず。
なんで1階にいたんだ…?
あぁ駄目だ、気になりだすと止まらない
自習なんだし、抜け出しちまえ。
クラスが全体的に騒がしかったとはいえ、さすがに一人で教室を抜けるとなると少し目立った。
ま、そんなことはどうでもいい
今は沖田だ沖田。
足早に沖田が歩いていた廊下をたどると、つきあたりにドアがあった。
(こんなとこ、あったのか…)
多少の緊張感を抱いてドアノブに手をかけ回すと、キィ、と控えめに鳴ってドアが開く。
そこは、なんの変哲もない、ただの校舎裏だった。
“変哲もない”…?いや、正しくは…
「すっげぇ…桜…」
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