浅い夢−鳴門−
□貴方の居場所、私の願い
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扉が開く音がした。
いつも聞こえてくるただいまの4文字は聞こえず、ただ血の香りと殺気だけが私の周りに渦巻く。
ときどきあることだった。
暗部からの仕事は、時折酷く残酷な任務が混じってくる。
派手にだとか、できうる限り苦しめて、とか。
そんな依頼を、暗部はこなす。
どんなに苦しくても、心を無にして。
――そんな任務をこなした後のカカシは、酷く不安定だった。
自分の不安の出し方がわからず、人とどう接していいのかわからず
自分の苦しさを言葉にせずに吐き出す。
だから、暗部からの任務後のカカシは、いつもと変わる。
優しく抱きしめてくれる腕は荒々しく、そっと口付けてくれる唇は乱暴に。
そんな、不安の吐き出し方をするんだ。
ため息をつく暇もなく、口布をはずしたカカシは、ソファーに座っていた私の腕を強く握り、そのまま
押し倒す。
「いっ・・・・。」
苦痛に顔を歪めても、カカシは、苦しそうな瞳で私を物理的に見つめ、噛み付くようにキスを繰りかえす。
口付けの時間はだんだんと長く、深くなる。
そして、そのたびにカカシの不安と、辛さが私の中に入り込んでくる。
閉じている唇に、カカシは自分の舌を無理矢理入れ込み、そのまま私の舌と絡ませる。
「は、っ・・・・、ん、ぅ・・・」
絡み合った舌と、少し開いた私の唇から混ざり合った唾液がたれる。
そんな唾液をカカシは舌で舐めとる。