浅い夢−鳴門−

□囁かれた言葉
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柔らかい微笑みで手を振るカカシに、手を大きく振り返す。


そして、部屋に帰る。
いつもどおりの、居心地のいい空間。

私と、ゲンマの家。
部屋の空気が冷たい。
きっとまだゲンマは仕事中なんだろう。
さっきまでの楽しかった気持ちの昂ぶりが、

部屋の温度に急激に冷やされていく。
暖房も、冷房もないこの部屋。
いつも二人で寄り添って暖めあってきた。

・・・・寒い。

ため息をつきながら、一人で毛布にくるまる。

そうして、少ししたら、玄関から音が聞こえてきた。
毛布に体を包ませながら玄関へ向かう。
靴を脱ぎ終えたゲンマが、こっちを向く。
そして、ふと柔らかい微笑みで私を抱きしめる。

「おかえりっ!」

毛布ごと私を抱きしめたゲンマに、今の私の、できうる限りの最高の笑顔を向ける。

「ただいま・・刹那。」

いつもどおりに、私の名前を読んで頬に口付けを落とし、リビングへ向かう。
まさに日常茶飯事。(

リビングに入ると、ゲンマが机の上に放置された淡い水色の箱を手に取る。

「・・・これは?」

「あ、それはカカシさんからもらったんだよー!」

毛布の隙間から手を伸ばし、箱を取る。
そして、毛布の中に入れる。
証拠隠滅(
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