浅い夢−鳴門−

□揺らいだ心
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「や・・・、ゲンマ、さ・・・」


荒い息をして、刹那は名前を呼ぶ。


地下室の倉庫は、薄暗く、埃が舞っていた。
そんな密室に男女が二人きり。
ゲンマには、それは耐え切れなかった。


ずっと自分のものにしたかった女。

自分のものにできるはずのない女。

それでも、恋焦がれた。


大事な自分の友の彼女に恋焦がれた。


「でも・・・ここはこんなに濡れてるぜ・・・?」


口元を歪ませ、涙を必死に留める顔にすら、鼓動が高鳴る。

この手で、全てを壊したい。

そんな破壊願望と、全てを守り抜きたいと思う死守願望。

二つにゲンマは苛まれた。


「やめて、下さい・・・ッ!」


刹那が声を荒げて、ゲンマを突き放そうとする。

ぐっと力を込めた腕で、刹那の後頭部を支えるようにつかむ。


そのまま強引に唇を奪い、舌をねじり込む。

んんっ、と刹那が舌をおしかえす。


ゲンマは、薄く開けていた瞳を閉じると、その舌を絡めとった。

もう片方の手で、下半身に手を伸ばす。

そっと触れれば、ぐちゅ、と淫らな音を立てて指先を湿らせる。


音とともに刹那の体がビクンと震える。


唇を離し、後頭部を押さえつけたまま濡れた指先をナカに押し込む。

刹那の目から涙が零れ、口元から甘い吐息が漏れ出す。

二本をそっと動かし、刹那が声を漏らす。
ゲンマの口が妖しく弧を描く。


「や、だぁ・・・」


口元を手で押さえながら、刹那は言葉を吐く。


「やだじゃねぇだろ・・・?」


指先を激しく動かし、ゲンマは嘲るように笑う。


一際高い声を刹那が零した。


ゲンマの手に零れる刹那の液体を、ゲンマは舐めとる。

そして、刹那の後頭部から手を離し、太ももを掴み、抵抗しようとする刹那の力を、
何もないかのようにすんなりと開かせて、ゲンマは屈む。

刹那の溢れる液体を舌で舐めとり、溢れる元を吸い取る。


「やぁっ、ダメ・・・、」
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