浅い夢−鳴門−

□きっと惹かれたのは出会ったころから
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目覚めたのは、眩しい朝の光が部屋に降り注いできた午前8時。

隣に在る暖かな体温と、整った顔に口元を少し綻ばせる。

酒の力が無くなった今でも、やはりイケメンだと再確認する。

ん、と少し掠れた声でゲンマが目覚める。
焦点の合わない瞳で刹那を見つめるゲンマに、綻んだ口元をさらに綻ばせ、刹那はおはようと囁く。

「・・・はよ・・・。」

昨晩の事と今を合わせるように再び閉じられた瞳が開く。

確かな光を宿した瞳が刹那を捉え、布団の中で動いたゲンマの右手が刹那のしなやかな腰にすべる様に触れる。

くすぐったそうに微笑む刹那にゲンマの口元も綻ぶ。

微笑した刹那の顔が憂鬱げに翳る。
少し息を吐いて、起き上がる。

――昨日は酔いと勢いで交わってしまった。
その気持ちが刹那を憂わせていた。

そんな心境を悟ったゲンマは、完全に起きた頭擡げ、そっと刹那を覗き込む。
僅かに揺れた瞳がボンヤリとゲンマを捉える。

――ああ、やっぱ俺こいつが好きだ。

酒の力を借りてでしか刹那を抱けなかった。
弱ェな・・・。
溜息混じりにゲンマは言葉を吐く。

「今日休みなんだろ?」

前々からこの日が休みだと知っていた。
無理矢理ゲンマも休暇をとってきたのだ。
完璧だったはずなのにな。

「・・・うん。」

柔らかく微笑んだ刹那を抱き寄せ、とある一言が言えない自分に嫌気がさす。
女誑しもここでは無力か。

自嘲しながら、刹那のふわりとした髪に指を絡ませる。
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