BL小説(TIGER&BUNNY編1)

□☆【虎兎】元気だけが取り柄
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今日と明日はバニーが泊まりの仕事でシュテルンビルドにはいない。

この所、単独の仕事が多くてバニーとまともに2人になれたのも2週間も前だ。
本来なら明日は出動がなければ自宅待機と言う名の休みだったってーのに…
ロケ地の天候の加減で一日伸びて帰ってくるのは明日の夜中。

『すみません、虎徹さん…。せっかく明日久しぶりにゆっくり出来ると思っていたのに…』

バニーは電話越しに寂しそうな声で謝ってきた。

「なんでバニーが謝んの?バニーのせいじゃねぇんだから。」

わりと落ち込んでいた俺だが、バニーに心配されるのもいたたまれない気がして、いつもの調子で答えた。

『…僕だけですか?』
「ん?」
『僕だけですか?会いたいって思ってたのは…?』
「え?なんで?」
『だって、虎徹さんの声が…』

あ〜…無理して平気な声出したら、逆効果になっちまった…

「…寂しいよ、俺も…」
『…っ?!』
「バニーに会えないのは寂しい…」
『……虎徹さん…』
「まともに話したの2週間前だぜ?寂しいに決まってんだろ? でも、まぁ…仕事なんだから、しょーがねぇわな〜…」

俺はロフトに上がる階段の途中で腰を落とした。

『…良かった。』
「へ?なんで?」
『僕だけ思ってんじゃないって分かったから…。僕、明日は早く帰りますね。』
「あははは!それはお天道様次第だな。」

バニーも電話の向こうで笑ってる。

『あ、そろそろ電話切らないと…。明日早いので…』

と、バニーは名残り押しそうに呟いた。

なんか、やっぱ寂しいなぁ…

『…虎徹さん…』
「ん?」
『……』
「どうしたバニー?」

すると、バニーはなんだか甘い吐息を吐いてから

『……早く、虎徹さんに抱かれたいです……』

消えそうな声で呟き、おやすみなさいと言って電話を切った。

ツーツーツーツーツーツーツーツー……

「んだっ?!あんだよっバニーっ!そんな爆弾落として切るなよっ!!」

俺は顔を真っ赤にしながら、スマートホンを握る。
ハンドレットパワーでスマートホンを潰しかけたのをかろうじて抑えた俺を褒めて欲しい。
そんなっ、…そんなっ、悩ましい声でお前……

ふと視線を下に向けた。
案の定、俺のムスコさんが元気になっている…

…やっぱな…

俺は正直すぎるムスコにゲンナリして、でも、気持ちは分かるよって宥めるようにムスコを見つめる。

「しばらく、放っとけば収まんだろ。」

と、あまり気にしない事にして立ち上がりロフトへ上がった。
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