BL小説(TIGER&BUNNY編1)

□【牛折】どうして触れてくれないんですか?
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「何言ってんだ、アントン?!うちのバニーの方が可愛いっつってんだろ?」
「虎徹こそ何言ってやがんだ?俺のイワンなんかなぁ・・・」

30代の男2人が自分の恋人の自満話に息まいている。
その恋人と言っても相手はヒーローで男だが・・・

「もうアン時のバニーったら・・・クククッ・・・」

話ながら虎徹が思い出したのか顏を赤くして笑う。

「虎徹、気持ち悪いぞ・・・」
「クククッ・・・す、すまん・・・」
「いや・・・分からなくもないけどな・・・」

と、今度はアントニオ顏を赤くした。
その2人を白々しく見ていたネイサンは大きなため息をついた。

「ちょっと、アンタ達・・・ノロケなら他でやってくんないかしら?」

コロンとロックグラスの中の氷を揺らす。

「アンタ達が幸せそうだから別にいいんだけどね〜。1人身のアタシとしては結構キツイのよ〜」
「「・・・すんません・・・」」

30代の男2人が肩を落として謝る。
なんとも情けない姿。

「それにしても〜、まさかアンタが折紙とくっつくなんてね〜〜。」

ネイサンがアントニオの尻を綺麗にネイルされた手で撫でる。

「だからっ、それ止めろっつってんだろ!!」

アントニオはネイサンの手を振りほどき、虎徹と場所を変わる。

「ま、確かになぁ〜・・・。俺も初め聞いた時はビックリしたぜ〜?」

場所が変わってもにへら〜と締りのない顏で呟く。

「・・・お前、まだバーナビーの事考えてんだろ?」
「・・・ん〜〜?わりぃか?」

テーブルに突っ伏してちらりとアントニオを見る。

・・・もうコレ重症だわ・・・

ネイサンは虎徹を見て頭を抱えた。

「・・・しかしな・・・」
「どうしたの?」
「・・・ヤバいんだよな〜」

どうにも煮え切らないアントニオ。

「全く、シャキっとしなさいよっ!男なんでしょ?!」
「・・・う〜〜ん・・・」
「何がヤバいんだ〜〜?」
「あいつ・・・その内壊れんじゃねぇかって思って・・・」
「「・・・はぁ?」」

虎徹とネイサンが同時に驚く。

「・・・はぁ〜・・・」

虎徹とネイサンの反応を丸無視し、大きなため息をつく。
アントニオには聞こえない様にネイサンが虎徹に耳打ちをする。

「ちょっと、なんなのアレ?」
「俺だって知らねぇよ〜!」
「なんでアンタ知らないのよ?親友なんでしょ?」
「いやいやいやいや・・・付き合い長いけど、あいつのエッチ事情まで知らねぇし!つーか、知りたくねぇし!」

ひそひそと話している2人をよそにアントニオはまたため息をついてから席を立った。

「おっ?アントンどうした?」
「・・・いや・・・今日は帰るわ・・・」
「あら?」

アントニオは数枚の紙幣をテーブルに置くと手をひらひらさせながら出ていった。

「あれは相当重症ね・・・」

綺麗なレッドローズの爪を頬に当てる。

「・・・ま、俺らにゃどうする事も出来ねぇってこった・・・」

お手上げといったポーズを取り、虎徹はまたテーブルに突っ伏した。
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