BL小説(TIGER&BUNNY編1)
□【虎兎】1/31は愛妻の日
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「もうっ、虎徹さんっ!何度言えば分かるんですか?!」
バニーが洗濯機前で叫んでいる。
一緒に住み始めてから怒られる事が増えた。
服を脱ぎっぱなしにするなだの、ビール瓶はきちんと分別して捨てろだの、お前はどこの主婦だってくらい・・・
俺は頭をガシガシ掻きながらバニーの元へ行ってみた。
「ど〜したの、バニーちゃん?」
「虎徹さん。これ。」
バニーの手には俺が脱いだシャツ。
「ちゃんと洗濯機ん中に入れておいたろ?」
「それはいいんです。」
「じゃあなんだよ?」
「これですよ、これ。」
手に持っていたシャツを広げて見せる。
「・・・で?」
「で?じゃないです。これ裏返しじゃないですか!ちゃんと元に戻してから入れて下さいって言ってるのに・・・」
ブツブツと言いながらも俺のシャツを元に戻して洗濯機に放りこんでる。
そういうヤツだよな〜・・・
なんだかんだ言って最後にはちゃんとしてくれる。
バニーが愛しくなって背中から抱きしめた。
「ちょっ、虎徹、さん??」
「ん〜・・・いつも、ありがとな・・・」
バニーの右肩に顏を埋めて抱きしめたまま擦り寄ってみる。
小さくため息をついてバニーは右手で俺の頭に添える。
「・・・気を付けて下さいね?」
「・・・あぁ。」
「と言っても中々直らないだろうけど・・・」
クスッと笑って俺の腕から抜けだした。
「虎徹さん。」
バニーが飯の片づけをしながら俺を呼んだ。
またなんかしたかな〜?と内心ドキドキしてバニーに返事をする。
「ん?どした?」
「今日は何の日か知ってますか?」
「ふん〜?」
何の日?
今日って1/31だよな?
なんかあったっけ?
プロポーズしたのはバニーの誕生日だし・・・一緒に住み始めてからまだ一年立ってねぇし・・・
バレンタインには早ぇし・・・
なんだろうと首を捻っていると
「知らないんですか?」
「おぉ・・・」
「今日は1/31で愛妻の日らしいんですよ?」
「愛妻の日ぃ?」
聞いた事ないな〜て思いながらバニーの方を見ると俺に背中を向けているが明らかに首元が赤くなってる。
心なしかちょっと身体ももぞもぞしてる。
・・・ヤバ・・・可愛い・・・
「・・・そっか・・・じゃあ今日はバニーを労わんなきゃなんねぇなぁ〜」
と頬が緩んでしまうのを抑えて言ってみた。
「いや、その・・・別に、僕は・・・」
振り向いて目を泳がせるバニーが口ごもってる。
だから、可愛過ぎんだってお前っ・・・
「バニー」
いつもよりも意識して低く掠れた声で呼んだ。
ピクッと身体が震えて返事する兎ちゃん。
「こっちおいで?」
出しっぱなしの水道を止めておずおずと俺の傍まで来たバニーの手を引いて俺の膝の上に乗せる。
そのままバニーの唇にキスを1つ。
「今の俺の愛妻っつったらバニーだろ?」
「・・・こ、てつ、さん・・・」
「ちげぇの?」
「・・・僕・・・男ですよ?」
「それでも俺の奥さんには変わりねぇって。」
ちゅっちゅっと軽いキスを何度もする。
「だから今日は俺にとってバニーの日だよ?」
俺のキスを受けてますます顏を赤くして、目もちょっと潤んでる。
・・・ったく・・・可愛いったらねぇなぁ・・・
柔らかい髪を梳いて赤く染まった頬を撫でて・・・
「・・・可愛い、バニィ・・・」
微笑んで見下ろすバニーが俺に抱きついて俺をソファに押し倒した。
「・・・ぼく・・貴方の奥さんで幸せです・・・」
「俺も幸せだよ・・・」
バニーの潤んだ碧の瞳を見つめる。
俺にとってお前は愛しても愛しても愛し足りないくらいだって分かってんのか?
「・・・こてつ、さん・・・」
吐息まじりに俺の名前を呼ぶバニーの唇に指を這わせる。
「愛してるよ、バーナビー・・・」
「・・・僕も・・愛してます・・・虎徹さん・・・」
自然と唇が重なって・・・バニーの髪に手を入れて引き寄せて・・・何度も角度を変える。
漏れる吐息が俺を煽る。
抱きしめてバニーの身体を反転させると綺麗な金色の髪がソファに散らばって俺を見上げる。
「・・・これじゃあ僕労わって貰えないですね?」
「そうかもな〜?」
クスクス笑って顏中にキスを落とす。
「気持ちイイ事は嫌いか?」
その返事をするようにバニーからキスをされる。
「・・んっ・・・んぅ・・・」
バニーの手が俺の服の下を這って胸板を撫でる。
腰に来る刺激。
「・・・いっぱい気持ち良くして?」
バニーは俺の耳元で甘く囁いた。
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