BL小説(TIGER&BUNNY編1)

□【牛折】愛しい貴方と朝食の後・・・
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デート。

咄嗟に俺が言った言葉にイワンは嬉しそうな顏して俺に飛びかかって抱きついてきた。

「嬉しいですっ!」
「イワン・・・とりあえず、どいてくれ。出かける用意出来ねぇぞ?」

俺を押し倒していたイワンが我に返ったのか、顏を真っ赤にして急いで俺から離れた。

「す、すみません・・・」

ゆっくりと起き上がってイワンの頭を撫でた。


そんなに喜んで貰えるなんてこれっぽっちも思ってなかった。
確かに今まで2人でゆっくり過ごす事もなかった。
それは俺が理性保てないからだけども・・・

くそっ・・・いちいち可愛いんだよ・・・っ!

俺が触れる度に真っ赤になって・・・
俺が何か言う度にもじもじして・・・
今だって抱きついてきたりして・・・

あーーーーっ!!もうっ!!
俺の理性持たねぇーー!!

「アントニオさん?」

俺がイワンの可愛さに悶絶しているとそのイワンが小首を傾げて俺を呼んだ。

だ、か、ら、いちいち可愛いんだって!!

「どうしたんですか?早く行きましょ!」

キュッと俺の上着を抱えて、上目遣いで言ってくる。

プチッ・・・

俺は頭の中で何かが弾けてた。
俺の上着ごとイワンを抱きしめるとそのまま横抱きにして寝室へと移動した。





人は一度、理性を失うと本能のままに行動してしまう。
寝室のベッドに下ろしたイワンの制止も聞こえず、抱いてしまった。
今までずっと押し殺していた欲望はイワンの可愛さにいとも簡単に放たれる。

「・・・アントニオ・・さん・・・」

放心状態のイワンが俺の名前を呼ぶ。

あ〜・・・なんで抱いちまったんだ、俺・・・
デートが出来るって嬉しそうにしていたのに・・・

「・・・すまん。デート行くって言っといて、こんな事・・・」

申し訳ない気持ちでいっぱいになってる俺にイワンは俺の手をそっと握った。

「アントニオさん・・・僕、嬉しいです。」
「・・・・・」
「どうして、その、その気になってくれたのかは分からないんですけど・・・ぼく・・・とっても・・・うれし・・・いで・・・す・・・・」

意識が落ちたのか握っていた手が外れた。
チラリとイワンを見るとスゥスゥと寝息を立てている。
シーツをイワンに被せて、それごと抱きしめた。

「・・・朝から盛っちまって、すまん・・・。起きたらちゃんとデートしような?」

銀色に輝く髪にキスを落として気持ちのいい眠気に襲われてそのまま眠った。
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