過去拍手文

□牛折編
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「・・・また無茶させてしまったなぁ・・・」

アントニオは腕の中で寝ているイワンの髪を撫でながらため息をついた。
イワンは可愛い。
まだ身体を重ねた回数はあまりない。
アントニオとしてはゆっくり関係を進めたかったのだが
「抱いて下さい」と必死にしがみついてくるイワンを見て堪らなくなり、抱いてしまった。
極力壊さない様にと思っているのだがどうしても最後には気を失わせてしまう。

「・・・いい年したおっさんが何やってんだ・・・」

イワンを抱く時のアントニオはまるで思春期のソレに似ている。
もっともっと啼かせたい。
もっともっと感じて欲しい。
もっともっと乱れて欲しい。

だから夢中になって抱いてしまう。
こんなに大事にしたいのに・・・

「・・・イワン・・・」

イワンの額に軽くキスをしてそのまま寝ようと目を閉じた。

「・・・・・アントニオ・・・さん・・・?」
「ん?・・・起こしちまったか?」
「・・・いえ・・・大丈夫です・・・」

イワンはのそのそと手を伸ばし、アントニオにしがみつく。

「・・・どうしたんですか・・・?」
「・・・いや・・・なんでもねぇよ・・・」

イワンを一度きつく抱きしめて、キスをした。

「・・・っ?!」

イワンが顏が赤くなる。

・・・いちいち可愛いんだって、お前は・・・
だから困んだよ・・・俺の下半身的に・・・

「・・・ぼちぼち寝るか・・・?」
「・・・はい・・・」
「おやすみ、イワン・・・」
「・・・おやすみなさい・・アントニオさん・・・」

少し潤んだ瞳で見上げているイワンが遠慮がちに唇を合わせてきた。
そしてアントニオの胸に顏を埋めた。

・・・う〜〜〜・・・
そんな事したら余計寝れねぇじゃねぇかっっ!

心の中で身悶えているアントニオ。
そんな事とは知らずにイワンは規則正しい寝息を立てて寝ていた・・・


2012.3

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