BL小説(TIGER&BUNNY編2)

□☆【エビウニ】誰もしらない存在
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あいつと同じ顔。
金髪で白い肌、違うのは瞳の色だけ。
あいつはエメラルド、ボクはスカイブルー。

鏡に映るその姿はまさにバーナビー・ブルックスJrそのもの。

ただし、ボクの左の腰あたりにウロボロスのマークが入っている。
そう。
ボクはウロボロス。
あいつが躍起なって捜している犯罪組織にいる。
そしてボクの相棒・H-02。
鏑木・T・虎徹をモデルにした、"タイガー"。

「ジュニア。」
「ん?何?」

壁一面に映し出されているヒーローTVを見ていたボクにタイガーが声を掛けてきた。

「また"ヤツ"を見てるのか?」

タイガーがボクの後から抱きしめてボクの左肩口に顏を乗せる。

「そうだよ。アイツ、どうして"ヒーロー"なんかやってんのかな?」

人間なんて裏切る。
その人間を護って身体をボロボロにしてなんになるんだ?

「人なんか滅びればいいのに・・・」

画面に映るバーナビーの笑顔の先にはワイルド・タイガーがいる。

「ヤツらの事なんかほっとけよ。」

タイガーの唇がボクの耳元を舐めていく。

「いずれ、ヤツらの代わりになればいい・・・」

タイガーの声が直接耳に入ってくる。
ボクの服を捲り上げてボクの敏感な所を撫でていく。

「んっ・・・ぁっ・・・」
「それまでは・・・気持ちイイ事でもしてようぜ?」

タイガーの手がボクを快感の渦へと引きずり込んでいく。
画面のバーナビーは王子スマイルでインタビューを受けている前でボクはタイガーに身体を晒されていく。
この背徳感。
堪らなく感じる。

「・・・タイ、ガ・・・」
「ん?・・気持ちイイか?」
「・・・ンぁっ・・・はやく、あいつの・・・ぁっ・・・代わりに、なりたい、よっ・・・」
「こら・・・ヤってる時に・・・ヤツの事考えんな・・・ジュニア・・・」


タイガーがボクの中で暴れている。
ボクのいい所を攻めてくる。

微かに見たテレビの中のバーナビーが微笑んでいるのが見えた。

・・・早く死んじゃえ、バーナビー・・・




ボクとタイガーは所謂クローン人間だ。
ボクはバーナビーのDNAを元に組織が作りだしたクローン。
バーナビーのDNAはマーベリックが収集したらしい。
組織内で一番最初に作りだされたボクはH-00。
タイガーはワイルド・タイガーこと鏑木・T・虎徹のDNAからだけど
それもマーベリックが収集したらしい。
まぁ、マーベリックの会社にワイルド・タイガーがいるんだからそれも容易な話だ。

バーナビーの成長していく時を同じくしてボクも一緒に成長した。
たまにくるマーベリックもバーナビーと同じで綺麗になったと誉めてくれた。

"バーナビーと同じ"

その言葉はボクにとって苦痛でしかなかったけど嫌な事ばかりじゃない。
整った顔やスタイル、それは組織の為に凄く役に立った。

ボクの仕事は主に暗殺。
組織から切り離されるヤツをボクが最後にイイ気持ちにさせてから殺してあげるんだ。
だからボクから接触されると死ぬと言う事は暗黙の了解になっていた。
それでもソイツらは幸せそうな顏をして逝く。
それもこれもこの綺麗な顏と身体があるからだ。
そこだけは感謝するよ、バーナビー?
・・・ただ、それだけだ・・・


「ジュニア・・・」
「・・・ヨカった?」

ボクの身体の上で倒れこむ中年の男は息を切らして頷く。
ボクは微笑んでその男の背中を優しく叩くと乱暴にソイツを剥がした。
男はベッドの下へと転がっている。
もう身体中の力が入らないみたいだ。
ボクはそのままソイツを見下ろすと枕の下に隠しておいた銃を取り、ソイツの前に立ち見下ろした。
ソイツの腹に足で踏みつけて

「バイバイ・・・」

綺麗に笑って、引き金を引いた。

バー―ン!!

ボクを見たソイツの顔は笑っていた。


反吐が出る。
男も女も僕の身体でイイ思いをして僕に殺されるのを喜んでいる。
その行為に疑問や不満はない。
いや、なんにも感じない。
死ぬヤツは組織から"処分品"とされたからでもう"いらない物"だから。
でもこいつらは最後に必ず笑っている。
それを見ると吐きそうになる。


「ねぇ、タイガー・・・?」
「どうした?」
「・・・どうしてボクは"バーナビー"なのかな?」
「・・・不満なのか?」

タイガーがボクに首筋にキスをしながら問う。

「・・・ううん・・・別に・・・」
「だったら何故そんな事を聞く?」
「う〜・・・ん・・・なんとなくかな・・・?」

タイガーの手がボクの身体を撫でまわす。
その度にボクは身体が快感を拾う。

「オレが気に入ってるって言ったらどうだ?」
「・・・え?」
「オレはお前の顔も身体も気に入ってる。それじゃダメか?」

タイガーがボクを気に入ってるのか・・・
・・・じゃあ、いいかな・・・

「ううん・・・ダメじゃないよ・・・嬉しい・・・」

ボクは自分からタイガーにキスをした。
するとタイガーはニヤリと口角を上げて笑って、そのままボクの最奥に欲望を突き入れた。


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