BL小説(TIGER&BUNNY編2)

□☆【虎兎】夏の浴衣はイイ物だ
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「バニー!今日うちに来いよ!」

虎徹さんが急にそんな事を言い出した。
と言っても付き合い始めてからお互いの家に行く事はあるので珍しい事でもないけれど・・・
虎徹さんの様子がいつもと違う…どこか嬉しそうなのが気になった。

「どうしたんです?」
「いいからいいから〜」

鼻歌でも歌いそうな雰囲気でにこやかな笑顔を向けた。


虎徹さんの家に着いてからソファに座らされた僕は目の前の段ボール箱を見て言葉を失った。

「中見てみ?」

どかっと置かれたそれをうずうずしながら僕に声をかける。
チラリと虎徹さんを見るとニコニコしているから怪しい物ではないのだなと思いフタを開けた。

「・・・え?」

中には色鮮やかな布が入っている。
僕は中から出して広げてみた。

「・・・虎徹さん・・・これ・・・?」
「どうだ?すげぇだろ?コレ母ちゃんがお前の為に縫ったんだぜ?」

え?安寿さんが?

広げた布はキモノみたいだった。
キモノにしては薄い。
確か折紙先輩から聞いた事がある。
確か、これは・・・

「ユタカですか?」
「ん〜残念。浴衣な?」
「ユカタ?」
「夏に着る着物みてぇなもんだ。」

改めてその"ユタカ"を見た。
白を基調にしたそれは所々に何かの模様があしらっていて手触りも柔らかい。

「とても気持ちのいい素材ですね。」
「着てみるか?」
「え?」

僕の手からユカタを受け取り、僕に立つよう促す。
服を脱いでアンダー1枚になった僕にユカタを羽織らせる。

「キツケ・・・出来るんですか?」
「あぁ。昔兄貴と着付けしあったからな〜」

どこか楽しそうにキツケをしていく虎徹さんに僕は小さく笑った。



「やっぱシュテルンビルドの王子様っ!なに着ても似合うなぁ〜」

腕を組んで僕のユカタ姿を見てはうんうんと満足気に頷いている。
正直似合っているのか分からないが足元が心許ない感じがしてモジモジしてしまう。

「ん?どうしたバニー?」
「なんだか心許なくて・・・」
「そっか。バニー初めてだもんな!・・・って、バニー?お前パンツ履いたままか?」

虎徹さんの手が僕の腰から下へと撫でながら聞く。

「当たり前じゃないですか?!」

お尻辺りにある手をパシッと叩いて睨みつけた。

「いってー!!何言ってんだ?!そーいーの着る時はパンツ脱がないとダメだろ?」
「・・・え?」

驚いて虎徹さんを見ると痛そうに擦っていた手を再び僕のお尻に触れる。
やわやわと触ってユカタの合わせから手を潜入させた。

「・・・あっ・・・」

思わず漏れる息。
手で口を塞ぐ。
にやりと口角を上げて笑う虎徹さんはユカタの下で手を動かしながら首筋に唇を這わせた。
アンダーの縁に指を掛けてスルスルと器用に脱がさせる。
ペニスが勃起してしまって上手く脱がせないでいると耳元で虎徹さんが小さく笑った。

「・・・感じた?」
「はぁっ・・・ン・・・」

その声はズルイ。
耳元でそんな甘い声で囁かれたら誰だって・・・

アンダーの中に手を差し入れて僕のペニスの先を摘み、引っ掛かっているアンダーを脱がせる。
膝まで下ろされ、ストンと落ちた。

・・・先走りが溢れて恥ずかしい・・・

「・・・これじゃあ出掛けらんねぇなぁ〜・・・」

他人事のように呟いたままペニスを摘んでいる手を離す。
反射的に離れて欲しくなくて虎徹さんの手に擦りつけた。

「なに?」

大きい手に擦れるように腰を動かして、離れないように腕を虎徹さんの首に回し抱きつく。

「・・・もっと・・・」

触って?

「・・・っっ?!くそっ・・・!」

虎徹さんが唸る。
そのまま強く抱きしめられて押し倒された。
襟元がはだけてしまった事で胸元が露わになる。
鎖骨にきつく吸いつかれて赤い痕が残る。

「・・・んぁっ・・・あぁっ・・・」

気持ちイイ・・・どうしよう・・・今すぐ、欲しい・・・

「スケベ兎め・・・」

胸の突起を舐めたり、吸ったり、軽く噛んだり・・・
虎徹さんの舌で愛撫されて感じすぎてしまう僕の身体。

合わせの裾を捲りあげて僕のペニスを扱きはじめた。
太ももに虎徹さんのペニスが当たる。
ドクドクと脈を打っている。
手を伸ばしてソレに触れるとビクッと蠢いた。

「・・・たまんねぇ・・・バーナビー・・・」

こんな時だけ本名を呼ぶ貴方は本当に狡い人・・・
その甘く低い声で呼ばれたら弱い事を知っていて・・・

「・・・はァ・・・ンっ・・・はや、く・・・コレ・・・ほしい、んっ・・・」

虎徹さんのペニスを扱きながら呟く。

「・・・くっ・・・どう、なってもっ・・・知んねぇぞ?」

そう言った虎徹さんは舌舐めずりを1つ。
琥珀色の瞳に男の色気が混じった。





2人の息が荒い。
あれから何度も虎徹さんに抱かれた。
何度も絶頂にイカされて、彼をたくさん淫らに求めた。
虎徹さんもいつもより興奮していたらしく、いつもより激しく僕の中を突き上げ、吐き出した。

「・・・もう、うごか、ない・・・」

ソファに投げ出した身体に力を入れようとしても入らない。
僕を抱きしめている虎徹さんも動けないみたいだ。

「・・・バニー・・・」
「・・・はぃ?」
「・・・それ着て、祭り行こうと思ってたのに・・・ダメだわ・・・」

虎徹さんの顔を見ると笑っている。
その笑顔に僕も笑ってしまった。

「・・・仕方ない、ですね・・・」

かろうじて手を少しだけ動かして虎徹さんの腰に乗せる。

「・・・じゃあ今日はこのままで・・・」
「あぁ。」
「今度はちゃんとユカタ着て祭り、連れてって下さいね?」
「・・・そだな、バニーちゃん?」

虎徹さんはそう言って僕の額にキスを落とした。


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