BL小説(TIGER&BUNNY編2)

□☆【虎兎】ヒーローと言えど人間なんです
1ページ/1ページ


ヒーローなんてものはいつどんな状況に陥っても助けが必要な限り、駆けつけなきゃいけない。
それが例え、恋人と甘い時間を過ごしていたとしても…


ビー、ビー、ビー…

今まさにバニーの身体を開いてこれからって時にPDAが無情にも鳴り響いた。

「だっ!!」

呼び出し音で瞬時に萎えた俺。
組み敷かれたバニーも起き上がる。

『ボンジュール、ヒーロー!』

アニエスの声に俺はイライラしながらも応じた。
俺らはすぐさま着替えて現場に向かった。






現場ではやたらと叫んでいる犯人が人質を取っていた。
一部の事件に借り出される事は最近珍しくない。

…二部の仕事じゃねぇよな、これ…

心ん中で舌打ちをして、アニエスに文句の一つも言おうとして止めた。
言った所でまたアニエスから反撃されるのは目に見えているから。

「これは2部の仕事ではないですよね、アニエスさん?」

隣でバニーがアニエスに言っている。

「そうなんだけどね、犯人がバーナビーを呼べって聞かないのよ!」
「僕を?」
「えぇ。」

犯人がバニーを呼んでるってどういうこった?

「とにかくバーナビーは交渉役として出て貰うから宜しく!」

話はこれで終わりとばかりにアニエスからの回線が切れた。

「何を交渉しろってんだ?!」
「人質の解放でしょ?後、迅速な犯人逮捕したらいいと思うんですけど?」
「だっ!!んなこたぁ分かってるよ!」
「…貴方は来なくていいですよ?呼ばれているのは僕だけのようですし…」
「何言ってんだ?俺はお前のバディだろ?一緒に行くぞ。」
「…仕方ないな…」

呆れながらも微笑むバニーと一緒に俺はさっさと犯人の待つ場所へ向かった。



犯人と対峙すると犯人はバニーを前に出すように指示した。
俺が制したのも聞かずバニーは指示通りにした。

「先に人質を開放しなさい。」
「うっせー!さっさとこっちに来い!」

顔を赤くし興奮している犯人にバニーは肩をすくめるとゆっくり犯人のいる方へ歩いていった。
ジリジリと近寄ろうと動く俺を目で制するバニー。

「…貴方の要求はなんですか?」

一定の距離で立ち止まり犯人に問うバニー。
犯人はイライラした顔でバニーをギッと睨んだ。

「お前さえいなけりゃ俺はこんな能力に目覚める事はなかったんだ!!そしたら彼女に振られることもなかったのにっ!!」

若い女を人質にして犯人が叫ぶ。

「彼女はお前の握手会に行くから会えないって言って俺との約束を破ったんだ!その日は記念日だったのに…」

人質に向けていた拳銃をバニーに向けた。
俺は静かに体制を低くし、相手の隙を伺う。
それを分かっているバニーは一瞬だけ俺に視線を向けた。

ーーーーーまだだと…

内心舌打ちをして俺はその場に留まる。

「…分かりました。僕が人質になりますからその女性を解放して下さい。」
「ダメだ!そのままお前はこっちに来い!」
「その女性は関係ないでしょ?」
「そんな事言ってこの女を離したらお前は俺を捕まえるんだろ?そんな手に引っかかるかっ!!」
「……分かりました。」

犯人の言葉にバニーがため息をついてから能力を発動した。

「あんのバカッ!」

その場で能力を発動したバニーに一瞬犯人が怯む。

「安心して下さい。僕は能力を発動しただけで貴方に危害を加えるつもりはありません。」

バニーは能力が切れるまで動かずに立っていた。

「少なくとも後1時間は能力は使えません。だから女性を解放して下さい。」

バニーの言葉に犯人は唾を飲み込んだ。

「この女をそっちに歩かせる。お前も同時に歩け!」

頷いたバニーがチラリと俺を見た。
バニーの口が動いている。

”僕が犯人の前に着いたら能力を発動して”

俺が頷くとバニーは少しだけ口角を上げて笑った。


歩き出すバニーを俺は見つめた。
人質を確保出来たらバニーは何かを仕掛けるはず。
その一瞬の隙を俺は見逃す訳にはいかない。
もうすぐ人質が俺の元にたどり着く。
それはバニーも同じで…いや、3歩こっちが早く着くか。
という事は……

俺の元に人質が辿り着いた瞬間、人質を後ろに待機していた警察に任せると能力を発動させた。
俺が動いた事に犯人は動揺。
その隙にバニーが犯人に素早く駆け込み顔に蹴りを一発。
倒れこむ犯人の後ろに回り込んだ俺は武器を奪い押さえ込んだ。
一瞬の出来事で警察も人質も、犯人すら動けない。
犯人をうつ伏せにし後ろ手に拘束した俺はバニーを見上げて笑った。



犯人を警察に引き渡した俺たちはトランスポーターでヒーロースーツを脱ぎ捨てシャワーもそこそこに俺の家に向かった。



家に着き、玄関に入るとどちらかともなくキスをした。
出動前までの名残のあるこの部屋は微かに2人の汗の匂いがする。

「んっ…んんッ…」

バニーの舌が俺の舌を絡め取り蠢く。
バニーの腰をグッと抱き寄せるとお互いの欲が硬くなってぶつかる。

「んあっ…やっ…いぃ、んっ…」

夢中になってキスを仕掛けるバニーに興奮した俺は抱きしめながらバニーの服を脱がせていく。
バニーの手が頭に伸びて被っていたハンチングを落とし、髪を掻き抱く。
キスをしたまま歩いてソファに辿り着くとそのまま倒れこんだ。
中途半端にはだけたTシャツとカーゴパンツ。
散らばる金色の髪。
俺を求めるエメラルドの瞳。
どれをとっても綺麗で愛おしくて…思わず微笑む。

「…何サヤってんだ、バニーちゃん?」
「ふふ…貴方こそ…」

妖艶に微笑んで俺のモノに手を添える。

「…くっ…!?」
「…僕だけじゃないでしょ?」

ネクタイを掴まれてバニーが鼻先にキス。

「貴方も脱いで?」
「…脱がせてくんない?」
「…甘えん坊さんですね?」

楽しげに笑ってバニーは俺の服を脱がせていく。
その間、俺はバニーの肌を堪能しようとはだけて見えるバニーの白い首筋に甘噛みした。
時々漏れるバニーの吐息が艶かしい。

「…ばにぃ…おれ、もぅ…」
「えぇ…ぼくも、」

それだけの言葉でバニーは限界まで足を広げて俺を誘う。
吸い込まれるように後口にピタリと充てる。
先走りで濡れている俺の先っぽにバニーの後口がヒクヒクした。
バニーの膝裏に手を添えて腰を進める。
先走りのぬめりと出動前に解したのもあってわりとすんなり入っていく。

「…あぁっン…こて、さん…」

バニーが手を伸ばしてくる。

…ほんと好きだな〜…イれてからのちゅー…

俺はバニーの手を掴んで首に回すように促すとその唇にキスをした。
くぐもったバニーの漏れる息。

「…んっ…くっ…」

ゆっくりとバニーの中に入りながら濃厚なキス。
バニーん中の壁が俺のを包んで蠢いてる。

…気持ちイイ…

「…んぁっ、はいって、る…」
「くっ…あぁ、バニーん中、気持ちイイっ…」
「ぼく、も、はぁっ…虎徹、さんの…おくまで…キて…」
「…全部入ったぜ?…触ってバニー?」

俺の首に回せた左手だけを掴んで繋がっている所へ促した。
バニーの指が触れて中の壁がぎゅっと動く。

「…はぁ…ほんとだ…」

うっとりしたバニーの顔。
もうそれだけで俺の理性が飛んでしまう。

「ばにっ…!」

バニーの首の下に腕を差し入れて抱きしめ腰を一旦ギリギリまで引いた。
そこから一気に腰を打ち付ける。

「あああっ…はげし、あンっ…」
「バニっ…バニっ…」
「あっ、あっ、あっ、もっ、あっ、こて、つ、んぁっ…!」
「んっ…ばにっ、好きだっ…バニっ…」
「ああっ、ぼくも、すきっ…こてつっ…んんっ…」

俺にしがみついて唇を重ねて舌をくぢゃぐちゃに絡めてくる。
打ち付けながらバニーのを握り上下に扱いてやると先走りが溢れてくる。

「…もっ、クるっ、キちゃうっ…やっ…」
「一緒に、イクぞっ…んくっ…ばにっ…」
「いっ、しょにっ、イクっ…ああぁぁっ…ひゃっあぁっ…!」

ドピュッとバニーが先に吐き出すのが手に伝わったのが分かり、俺は腰を小刻みに動かせてラストスパートをかけ、バニーの中に思いっきり吐き出した……



まだ息が整わない俺達は抱き合ったまま笑った。

「…どんだけ…溜まってんだ俺達…」
「…溜まっていたのは…貴方だけ…でしょ?」
「…よく、言うぜ?…お前…すげぇ腰…動いてたぜ?」
「…貴方もね?」
「…はははっ…そだな…」
「…ふふふ…」

まだバニーの中に収まっている俺のをずるりと抜くとバニーの身体がブルリと震えた。
上体を起こしてバニーのおでこやほっぺにキスを落として抱きあげた。

「ちょっ、虎徹さんっ?!」

膝の上にバニーを座らせて見上げると真っ赤になったバニーが俺を見下ろしている。
俺はニヤリと笑ってバニーの尻を鷲掴んだ。

「あっ…」

やわやわと柔らけぇ尻を揉んで、

「…"虎徹"って呼んで?」
「…は?」
「さっき呼んでくれたじゃん!"好き、虎徹!"って」
「…あ、あ、その、」
「お前最近やっと呼んでくれるようになったけど…いっつもエッチん時だけだもん…たまには普通に呼んで欲しいよな〜」
「いえ、だか、ら…それは…」

口をパクパクさせちまって…可愛いったらねぇなぁ〜
…ま、今はそれでいいか…

真っ赤になりすぎているバニーに小さく笑って俺はその半開きになっている唇に深く唇を重ねた。


.
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ