BL小説(TIGER&BUNNY編2)

□【虎兎】☆小話3本
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【俺の相棒が天使過ぎるから】



アイツの”それ”が始まったのは多分俺のせいだ。


いや、だって、アイツは20年もの間、両親を殺した犯人を捜す為だけに生きてきたんだぜ?
やっぱ俺としては楽しい事、面白い事とかをさ?教えてやりてぇじゃん?

アイツは顔出しヒーローなんだし、買い物一つもままならねぇんだ。
特に今のアイツは今まで以上にキラッキラ輝いてる。
そりゃもう眩しいったらねぇよ?

それまで人と親しくなる事を避けてたヤツが今は柔らかい笑顔浮かべて話したりしてんだもんよ。

俺としては嬉しいやら切ないやら複雑な気分なんだよ!


……まぁ、それはいいんだ。
バニーがずっと笑っていられるなら俺の小さい嫉妬なんてどうでも…




「虎徹さん?聞いてます?」

俺の肩に寄りかかって膝を抱えた格好で俺を見上げる。

「ん〜?聞いてる聞いてる」

「あ、やっぱり聞いてなかったんですね?」

俺の適当な返事にバニーは頬を膨らませて拗ねた顔をした。

その顔が可愛すぎてバニーの肩を抱き寄せて頭部にキスを落とした。

「そんな拗ねんなよバニーちゃん?」

「もぅ…虎徹さんったら…」

「で?どした?」

「見て下さいよ!アレいいと思いませんか?」

目をキラキラさせながらバニーはTVの画面に向かって指差した。

あ〜…アレね?

バニーが見ていたのは所謂深夜の通販番組。
そこで紹介される商品のうち、今日はダイエット食品に興味を示したようだ。

そう…最近俺のバニーはこの通販番組にハマっている。
まさか俺が見せた通販番組にハマってしまうなんて誰が予想する?

『なんて画期的なんだ?!』

と今まで見た事がないくらいの笑顔見せて喜んでいた。

「でもさバニーちゃん?お前ダイエットなんて必要ねぇだろ?」

「そうですけどね。もしもの時の為に買っておいてもいいと思うですよ!」

「いや、それはそうかもしれねぇけど…ちょっとやべぇな〜って思ってからでも遅くないと思うんだ、おじさんは」

なんとか今回は購入を阻止すべくあの手この手で言いくるめようとするがバニーは首を縦に振らない。

そうなったらもう手に負えない。
だから…

「じゃあ買う?」

俺が折れるとバニーはすんんごい笑顔で、

「はい!買いますっ!!」

と喜び感激のあまり俺にキスをして早速電話で注文をし始めた。


はぁ〜…俺ってほんと…バニーに弱いよな〜…
バニーの嬉しそうな顔を見ると俺はどうしても甘やかしてしまう。

でも、しかたねぇよな?

そうやって喜んではしゃぐバニーが可愛いんだから。
もう成人した俺より5cmデカイ男が天使みたいに可愛いんだから。




「虎徹さん、虎徹さん!」

「なんだいバニーちゃん?」

ベッドで2人して横たわりながらバニーの足に絡ませてキスをする。
そのキスに微笑みつつ応えるようにちゅっちゅと音を立てる。

「虎徹さん、僕幸せです」

「な〜に?突然どうしたんだ、俺のバニーちゃんは?」

「貴方とこうして幸せな時間を過ごせる事に感謝してるんですよ…」

ぎゅっと俺にしがみつき顔を胸に埋める。
バニーの顔が赤くなってるのか胸の辺りが熱い。

いつまで立っても反応が可愛いなぁ…くそっ…

ギュッギュッとバニーを強く抱きしめてふわふわの髪にキスをいっぱいした。
クスクス笑って、抱きついてる手が俺の背中や横腹をさする。
その手がふと横腹をつねった。

「イテッ?!」

さほど痛くはないけど急につねられてビックリした俺は声を荒げた。

「……」

バニーは黙ったまんま確かめるように何度も横腹をさすったり、つねったりしてる。

「ん?」

顔を上げたバニーを見つめると眉間にシワを寄せて俺を見上げていた。

「…どうしたバニー?」

問いかけると斎藤さんくらいの小さな声でごにょごにょなんか言ってる。

「ん?んん??」

「…虎徹さん…ちょっとお腹に肉が付いてます…」

「はぁ??」

んな訳ねぇじゃん?!
俺、言っちゃあなんだけど高校から体型変わってねぇんだぜ??
なんなら制服だって未だに着れんだぜ??

「…今日オーダーしたダイエット食品は虎徹さんが食べて下さいね?」

「…………………は?」

「…やっぱりオーダーして良かったです。早速役に立ちました!」

……いや〜…アレ食わなきゃならんほど、おじさんデブってないけど…
……そんな天使みたいな笑顔で言われちゃ頷くしかねぇよな〜…

目の前の可愛い笑顔に俺は逆らう気が失せて、笑顔で答えながらバニーに優しくキスをした。


……やっぱ俺…一生バニーを甘やかす自信あるわ〜…

だって俺のバニーが天使過ぎるから…




おわり…


2014.1.17
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