BL小説(TIGER&BUNNY編3)

□【虎兎】やっぱり俺のバニーは天使だった
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「虎徹さん!最近周りから”バーナビーは天使”などとふざけた事を言う人が増えているらしいんですが…何故か分かりますか?」

俺ん宅のパソコンでカチカチしていたバニーが口を開いた。
俺はというと…そのバニーに膝枕をして貰ってんだけどな?

「ん〜?バニーは天使ってそのままじゃん?」

「もぅ…虎徹さんったら…」

俺を見下ろすバニーの顔が赤い。

そういう真っ赤になって照れたりする顔とか天使だっつーの!

顔の赤いバニーのほっぺを指でつつく。
プニプニで柔らかくて気持ちイイ。

「やめて下さいったら…!」

つついている指を掴み、仰向けに寝転ぶ俺の胸に下ろした。

「……そんな事を言うのは貴方だけで十分だ…」

トントンと俺の手ごと胸を軽く叩いて、またキーボードへ向かう。

「それにしても、何故皆さんまで言うんでしょうね?」

バニーはカタカタと叩きながら首を傾げている。

俺が2部から1部に再度上がり、バニーと再コンビを組むようになってから俺達は忙しい日々を送っている。

最近のバニーはインタビューやファンにも柔らかい笑顔で応えるようになった。
だからバニーが天使みたいに可愛いとか周りの奴らにバレてしまっている。

その事をバニー自身は知らなかったらしい。
ニュースや情報なんかには鋭いのに。


バニーが天使だって言われ始めたのは…実は今に始まった事じゃない。
ジェイク事件後から取り憑かれた何かが落ちたみたいに…本来のバニーってのかな?
素直な可愛い部分が出てきたんだろうと思うけど…

「…虎徹さん?」

何も言わない俺を不思議そうに首を傾げ、見下ろす。

「聞いてます?」

「ん。聞いてる。なんで皆から言われるかって話だろ?」

「…やっぱり聞いてない…」

呆れたようにため息をついて、

「その話は終わりました」

「あ、マジ?」

「えぇ」

「…じゃあ、なんの話?」

「……これです」

液晶画面を指差し示したのでバニーの膝枕から起き上がり覗き込んだ。

そこに映っているのは俺と女の後姿。

確かこの映像は俺が1人で撮影したものだ。
男性用香水だかなんだかのCMだったはず。
ベッドに座る俺と女が裸で(もちろん下は着てるしシーツで隠されている)向かい合っていて、女が俺にもたれ掛かっている。
その女の後ろ髪を鷲掴みにして斜めにして、その首筋に今にも噛みつきそうになる所で俺の顔のアップになって、俺がカメラ目線でニヤリと笑う。
そこで商品のロゴが入って終わり。

この撮影は正直しんどかった。
カメラマンが、もっと妖しく笑えだの、色気を出せだの、ほんと俺には無理は注文してきたからだ。

「…あぁ…コレな?」

嫌な思い出が頭に浮かび苦笑した。

「コレがどうかしたか?」

バニーを見ると下唇を噛んでいる。

えっ!?なんで??

「…この女性…誰ですか?」

「…は?」

「貴方に胸を押し付けてるこの女性は誰ですか?」

…押し付けてるって…女の後姿しか見えてねぇのに…つーか、押し付けられてねぇし…

「誰って…誰だっけな〜?なんかモデルみたいだけど…名前忘れた」

「…ふ〜ん…」

「なに?お前、妬いてんの?」

「…っ?!」

「か〜わいいっ!!」

「…なっ、ちょっ、?!」

拗ねるバニーが可愛くて思わず抱きしめ、ソファに押し倒した。
態勢を崩されたバニーがもがく。

「…そんなに気にしてくれるんだ?」

「……」

バニーの顔がみるみるうちに真っ赤になって、顔を背ける。
プルプルの唇が微かに動いた。

「…え?」

「…当たり前じゃないですか…バカ…」

「…バニー…」

俺は堪らなくなってバニーのその唇を貪るように奪った。

やっぱりこいつは天使だ。
俺なんかの為に、こんなにも可愛くなりやがる…

こんなにも俺を夢中にさせやがる…

「…んっ…こて、つさ…」

キスの合間に俺の名前を切なげに、苦しげに俺を呼ぶ。
両手を広げて俺の背中に回して、抱きついてくる。

可愛い…可愛い…俺のバニー…

「…虎徹、さっん…好き…」

「…俺も好きだよ…バニー…」


回りの皆にバニーが天使だってバレるのかもしれないけど…
俺の腕の中にいるバニーは誰も知らない。

こんなにも可愛いバニーを誰にも見せたりしねぇよ…


なぁ、俺の天使…バニー?



おわり…


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