BL小説(銀魂・ワンピース・メジャー・黒バス編)

□☆【火黒】全部抱きしめて
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火神くんとアメリカへ渡って数年。
英語もそろそろ慣れてきた。
と言っても火神くんみたいに流暢には話せないけれど日常会話くらいは出来るようになった。

「黒子〜ただいま〜」

ボストンバッグを抱えて玄関から入ってきた火神くん。

「おかえりなさい、火神くん」

リビングから声を掛けると火神くんがすぐ僕の後ろに来てハグをしながら僕の頭にキスをくれた。
パソコンに向かってポチポチ打つ手を止め、振り返るとそこにはいつもの笑顔があった。

「締切、今日だったよな?」
「そうなんですけど…」
「……黒子」
「…はぃ」
「ん」

そう言って両手を広げる火神くん。

君はどうして、いつも…

頬が緩るんでしまった僕はその広い胸に抱きついた。
作業が煮詰まった時、悩んでいる時、寂しくなった時…火神くんはこうして、いつも僕を甘えさせてくれる。
君の方が疲れていても、僕を気遣って…抱きしめてくれる。
申し訳ない気持ちと分かってくれて嬉しい気持ちが重なるけれど、結局甘えてしまうんだ。
…ごめんなさい、火神くん。

「火神くん、疲れてるのに…すみません」
「黒子の顔見たら、んなの吹っ飛んだ。でも、ごめんな黒子?」
「はい?」
「…俺はお前の仕事、手伝ってやれねぇからさ…」
「大丈夫です。こうしてギュってして貰えれば僕はまた頑張れます」
「…そっか」

火神くんにギュッと抱きつき、逞しい胸板に頬をすり寄せる。
それに応えるように火神くんも僕の頭に何度もキスをしてくれた。

ピンポーン。

チャイムが鳴り、お互いに顔を見合わせた。

「まさか…ですよね?」
「さすがにそれはねぇだろ?」

一抹の不安が頭をよぎり、僕達はそのチャイムを無視する事にした。

ピンポーン、ピンポーン、ピンポーン!

……この煩い鳴らし方は……

頭の上で大きいため息が聞こえる。
火神くんも僕と同じ考えのようだ。
仕方ないといった感じで僕を1度キツく抱きしめ、玄関へ向かった。

「ちわーす!黒子っち、火神っち!元気っすかー?」
「…黄瀬ぇ…」
「火神っち〜お疲れ様っす〜」
「なんで来んだよ?俺、黒子不足なんだけど?」
「いや〜、丁度この辺りで撮影に来てて、時間が空いたから遊びに来ちゃったんすよ〜」

火神くんの呆れた顔も気にせず、黄瀬くんは、お邪魔しま〜す!とイラッとする程元気に中へ入ってきた。
……黄瀬くん…一週間ぶりの火神くんを堪能したいのに邪魔しないで下さい……

「黒子っち〜お久しぶっ…!?」

僕が睨んでいるのが分かったのか、黄瀬くんがビクリと身体を強ばらせた。

「……お久しぶりです、黄瀬くん」
「…黒子っち…顔が怖いっす…」
「何を言っているのか分かりません」
「黒子!お前も休憩しろ!黄瀬も紅茶でいいんだろ?」
「あ、はい!」

そう言いながら火神くんはキッチンに向かいながら、僕に軽くキスをした。
火神くんに促されて黄瀬くんはリビングのソファに腰を落とす。
火神くんにキスをされて少しだけ気持ちが落ち着いた僕も黄瀬の向かいに腰を落とした。

「黒子っちは何してたんすか?」
「丁度、締切前でして…」
「あぁ、なんか、すんませんっす。忙しい時に来ちゃったみたいっすね」
「まぁ…。でも、今火神くんが帰ってきたので少し休憩するつもりでしたから」
「あ〜…ほんと、ごめんなさい」
「いえ、黄瀬くんも悪気があった訳じゃないですし」

黄瀬くんは高校を卒業してからアメリカで俳優の仕事をしている。
僕達の家から車で1時間ほど離れた所に住んでいる黄瀬くんはこうやってたまに遊びに来る。
…まぁ、こうして突然来るのは黄瀬くんだけじゃないですけどね…

「所で、青峰くんに連絡しましたか?確か、青峰くんも火神くんと一緒で今日帰ってるはずですが?」
「そうなんっすか?もぅ…ほんと俺にはなんっにも言ってくんないんすから〜」

ムスッと拗ねた黄瀬くんはソファの背もたれに身体を預け、顔を天井へと向けた。

「お前が来んならダイキと一緒に帰ってくりゃ良かったな〜」

キッチンから戻ってきた火神くんが僕と黄瀬くんの紅茶を持ってきた。
それぞれに渡し、火神くんは僕の隣に腰を落とすと僕の肩に腕を回すとこめかみにキスをした。

「青峰っちと一緒だったってほんと、火神っち?」
「あぁ。あいつんとこと試合だったからな。さっきまで一緒だったけど、黄瀬が拗ねてっかもしんねぇから帰るって急いで帰ってったぜ?」
「マジで?!」
「青峰くんは黄瀬くんが仕事だって知らないんですか?」
「一応知ってるはずっすけど…つーか、俺、別に拗ねてないっすよ」

そう言いながらも黄瀬くんは口を尖らせている。

「お?」

火神くんの携帯が震えたのか、ポケットから携帯を取り出し、画面を見た。

「噂をすれば…ですね」

僕に見せるようにしてから火神くんは通話ボタンを押す。

「hello?」
『大我!テツに聞いてくんねぇか?!黄瀬がいねぇんだよ!?』
「あぁ、黄瀬ならこっち来てんぜ?代わるか?」
『あぁ』

ニヤニヤしながら火神くんは携帯を黄瀬くんへ渡す。
誰からの電話か分からない黄瀬くんは不思議そうな顔をしながら電話に出た。
相手が青峰くんと分かると黄瀬くんは話をしながら僕と火神くんを軽く睨んでいる。
その様子が可笑しくて僕達はクスクスと笑った。


黄瀬くんが青峰くんとの電話を終えると挨拶もそこそこに急いで飛び出して行った。

「…相変わらず、騒がしい奴だなぁ」

やっと、火神くんを独占出来る。
僕は嬉しくなって火神くんの肩に頭を乗せ、見上げた。

「そうですね…」
「…テツヤ」

真紅の瞳が優しく見つめ返してくる。
火神くんは僕の頬に手を添えるとゆっくりと唇を重ねてきた…

「…ん、んっ…」

重ねるだけの唇は徐々に深さを増していく。
少しだけ開いた唇に容赦なく入り込む舌。
僕の舌を絡め、上へ下へと蠢く。
覆い被さる火神くんの背中に腕を伸ばし、彼の服を握りしめ…

「…んぁ、かぁ、み、く…」
「んっ、んん、テ、ツヤ、」
「んんっ、も、と…」

もっと…、もっと…火神くんを感じたい…

火神くんの激しいキスに応えながら、彼のシャツをまくりあげ、ベルトをカチャカチャと外す。
僕の足の間に割って入ってきた火神くんも僕の着ている服を乱暴に脱がしていった。
大きく暖かい手が僕の身体を這っていく…

…なんて、気持ちがいいんだろう…

「ん、テツヤ…わりぃ、俺…止まんねぇ…」
「…ぁ、ん、いい、ですよ…?僕も、そうです、から…」
「…なぁ、名前…呼べよ…テツヤ…?」
「…んぁ…ぁ、…たぁ…大我、くん…、もぅ、硬くなってま、すよ…?」
「…くっ、ったり、まえ…だろ…お前に触れられ、てんだからよぉ…」

中から取り出して手で刺激を与えていた火神くんのソレは先走りがひどく流れている。
少し身体を離した火神くんは僕の両膝の裏を持つとそのまま左右に開いた。
僕のモノからもダラダラと先走りが流れている。
その先端に見せつけるように舌を出し、ゆっくりと舐めた。

「ひゃ、ン…!?」

そのまま一気に咥え込んだ火神くんはイヤラシイ音を立てて僕のソレを愛撫した。
それと同時にヒクヒクしている秘所。
一旦、僕のモノから口を離し、中指と薬指を唾液で濡らした。
その真紅の瞳がギラリと光る。
ゾクゾクゾクゾク……

「…テツヤ…入れるぞ?」
「…んっ、ン…」

頷いた僕を確認した火神くんはソコの周りをゆっくりと撫でながら、僕のモノを下から舐め上げる。
ゆっくり、ゆっくりと撫でていき、指を徐々に中へと埋めていく。

「あっ、あぁ、…んっ…!」

前と後、両方の刺激が強すぎて、身体が跳ね上がった。
それでも火神くんの口と指は動きを止めない。

「…っや、そこっ…んぁっ、あ、あぁ、」

わざと音を立てて咥え込む口と、たまに前立腺を刺激する指。
卑猥な音が耳に入り、更に僕の欲望が増していく。

「…あっ、んっ、もっ、イくっ、らめっ、イッちゃ、うかっ、らっ…たぃ…が、くんっ…!」
「…ひけよ?」
「…あっ、んっ、んっ、イッちゃ、うっ…んんんんっーーーっっ!!」

指でなんてイきたくないのに火神くんの指と口が僕を追い詰めて、そして……吐き出してしまった…

「…ん…あいかわらず早ぇな…」

口の中で受け止めた僕の精液をゴクリと飲み込んで口角を上げる。
そのまま足の間に身体を入れ込み、自分のモノを僕の秘所に宛がう。
出来るだけ入りやすいように僕は自分の両膝裏を持ち、広げる。

「…はゃく、来て…、?」
「…くっ」

誘うように腰をくねらせると火神くんは喉を慣らし、眉を寄せた。

「…煽って、んじゃねぇ、よっ!!」
「……ああぁっ、!!」

勢い良く入ったソレに思わず声を上げた。
そこから激しく出し入れされる度に僕は声を上げる事しか出来ない。
グチュグチュと出し入れする音と肌がぶつかり合う音、火神くんの激しい息遣いに僕の喘ぎ声…

「…あ、んっ、やっ、はげしっ、たぃ、がくっ…もっ、らめっ、あぁ、はぁ、」
「…はぁ、くっ、テツ、ヤ、きっ、んっ、」
「た、ぃがっ、く、イィ、もっ、と…そこっ、あぁああっ、たいがっくんっ、たいがっくんっ!」
「テツヤ…くっ、はぁ、はぁ、んっ、んっ、はっ、もっ、やべっ…」

目の前がチカチカする…もう…

「…たぃ、がく、ん…」

手を伸ばして火神くんの首に絡ませると火神くんは顔を近づけてくれた。
これでキスが出来る…

「…んんっ、んくっ…」

舌を絡ませた深いキス。
火神くんの動きが更に早くなる。
もう…でる…

「んんんっ……!!」

僕は真っ白になって精液を吐き出した。
そして、火神くんも僕の中に…




「…いくらなんでも多すぎます」

ベッドで火神くんに抱きしめられている僕は口を開いた。
喘ぎすぎて声が掠れている。

「わりぃ…ちょっと歯止め効かなかった…」

そう言いながらも火神くんの声は反省しているようには聞こえない。

「君……本当に悪いと思ってます?」
「思ってるって。それに黒子だってその気だったじゃねぇか」
「それはそうですよ。一週間ですよ?一週間も火神くん不足だったんですから、仕方ないじゃないですか」
「…だよな」

火神くんはぎゅっと更に強く抱きしめながら僕の頭に口づける。

「…黒子」
「はぃ」
「…会いたかった…俺、お前不足で死ぬかもと思った…」
「…大袈裟ですね」
「黒子…マジ、会いたかった…んだ…ぜ…」

スースーと頭の上から寝息が聞こえてきた。

「…先に寝ないで下さいよ、火神くん?」

少し顔を上げて、火神くんの顔を見る。
昔と変わらない子供みたいな寝顔。

「…フフフ…火神くん…僕と出会ってくれて、ありがとうございます…」

火神くんの胸元に口付けて、耳を当てる。
緩やかな心音が聞こえて…僕を眠りに誘う…

「…ぼく…締切、なんですけどね…」

まぁ、少しだけ…この落ち着く音とともに、意識を手放してみよう…
そう…少しだけ…


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