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□いつもと違う目線
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「うーむ」
早朝、ところ天の助は考えていた。
(…手…脚………顔)
まじまじと鏡を見つめている。
(半透明でもない)
(そして、こんな奴は見たことない。つまり俺と誰かが入れ替わったという訳ではない)
(…ということは、俺は…)
天の助はバッと上を向き、勢いよく叫んだ。
「人間になっっちまったのかああああ!?」
「うるせーーー!!!!」
バキッ!と大きな音が響く。
どうやらボーボボが後ろから強烈なチョップを打ちこんできたらしい。
「ぎゃあああ痛い痛い!!!いつもなら簡単に復元するけど今回は無理っぽい!」
「ぎゃははは、そりゃ復元するわけねーだろ、お前人間だしっ…てオイ、誰だお前!?天の助の声に似てるけど…」
「いや、俺だよ俺。ところ天の助で合ってるよ」
「んなわきゃねーだろがああああ!ほざくなよアウストラロピテクスが!!」
「ぎゃあああああギブギブギブ!!!本当だって!話聞けってボーボボ!!!」
「…はぁ?朝起きたら突然人間になってた?」
「その通り」
「だからって早朝騒ぐな。で、何?前日自分の体でも食ったのか、天の助」
「いや、さすがにそんなことはしねーよ!でも、他に何か変なもん食ったワケでもないし、全く理由がわからん」
「…そうか。まあ、いいんじゃないのか?ところてんの体の時みたいに、無駄にプルプルしてうざいとか思わないし」
「俺そんなこと思われてたのか!?」
「いつも思っていた。とにかく、ビュティ達が起きたら説明しとけよ」
「わかった」
「…そんでもって…」
「?」
ボーボボがすっと立ち上がる。
天の助も何だ?と思いつつつられて立ちあがった。
「何か目線が近くてムカツクーーー!!!縮め!縮めええええ!!!」
「ぎゃあああああ!」
確かにボーボボが言う通り、天の助は人型になるとすごく長身になっていた。
目線もほとんど変わらないところを見ると、190はありそうだ。
顔も、あの優しげな天ボボがもう少し落ち着いた感じで、まあ一般人に見せればかっこいいと言われる程度ではなかろうか。
…そして、朝。