「アイシールド21」×「図書館戦争」

□第7話「ジェネレーションギャップ」
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これがジェネレーションギャップというやつか。
堂上も小牧も初めての感情に、らしくもなく動揺していた。

郁とセナが食事をしているところから少し離れたテーブルで、堂上たちも食事をしていた。
堂上と小牧、そして泥門デビルバッツの3兄弟こと十文字、黒木、戸叶である。
こちらはこちらで、それなりに友好的な雰囲気ではあった。
だが郁とセナたちほどは盛り上がらない。
むしろ高校生たちの会話に、ジェネレーションギャップを感じていた。

「今週のジャンプ、新連載が始まったぜ」
「ああ?後で貸せよ。」
「バ〜カ、ネットで予告見ただけだ。こんな場所で買えるわけねーだろ。」
「ったく、東京都にこんな場所があるって驚きだよな。」
「ああ。この合宿がなかったら、オレ、サイファー見に行ってたはずなんだよな。」
「マジ?どこ?」
「渋谷。T-Pablowが見たかったんだよな〜」
「ああ、パブロ、カッケーよな。」

堂上と小牧は顔を見合わせてから、こっそりため息をついた。
サイファー?ティーパブロウって何だ?
そりゃ一回り以上も年齢差があるのだから仕方がないと言えば、仕方がない。
だけど何だかひどく歳を取ったような気分になり、テンションが下がる。

今まで逆のジェネレーションギャップを感じることはあった。
特殊部隊の中では、堂上も小牧も若い方だったからだ。
先輩隊員の言動に、心の中で「オヤジか!」とツッコんだことも数知れない。
だがまさか、自分がそのオヤジ側になる日がくるとは。

「俺、毬江ちゃんに気を使わせてるかなぁ」
10歳年下の恋人を持つ小牧が、いつになく弱気な発言をした。
毬江といる時には、こんな気分にはならない。
それはすなわち毬江に無理をさせているのではないかと不安になったようだ。

「毬江ちゃんに限っては、それはないだろ」
「そうかな?」
「ああ。もしそうなら、お前とは一緒にいないだろう」
素っ気ないが説得力のある言葉に、小牧は笑う。
そして逆襲とばかりに、盛り上がる郁とセナを指さした。

「あの2人は仲良くなったけど、堂上が嫉妬するようなことはないと思うよ?」
「アホウ!そんな心配、しとらんわ!」
小牧の茶化しに、堂上が声を荒げる。
だが実際、堂上はあまりにも仲がいい2人にヤキモキしており、小牧はしっかり見抜いていたのだった。
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