奥さまは子猫チャン

□第12章 体育祭でつかまって
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通常授業が終わり、ロングホームルームの時間です。黒板の前に立った私は冷や汗タラタラ。今から大役をこなさなくてはなりません。

「小笠原さん、決意表明をどうぞ!」

司会進行を勤めるクラス委員の堀内さんがキラリと目を光らせました。うっ!人前に立つのは苦手です。まして決意表明を述べるなんて!

「紗菜子、がんばって!」

杏ちゃんや麻実ちゃんから激励が飛びます。6月の終わりにある体育祭に向けて、体育祭実行委員としてクラスを盛り上げて行くのが私の使命です。

「私達3年C組は、最後の体育祭に向け、クラス全員一致団結し、高等部の総合優勝を必ずや勝ち獲るため、精一杯がんばりましょう!」

キャーと歓声が上がり、拍手も巻き起こりました。よしっ!掴みはオッケーです!

「では、誰がどの競技に出るかを決めますね!」

ひとしきりギャーギャーと言い合って、なんとか決まりました。競技はクラス対抗で、午前中に球技大会があり、バレーボール、バスケットボール、卓球。高等部三学年の各クラス1チームずつ計12チームがトーナメントで対戦し、勝ち上がった順位によって得点が加算されます。体育会に入っている子はその部活以外で出場するのでバスケ部の友莉は私や麻美ちゃんと一緒にバレーボールに出ることになりました。午後は大玉転がしや綱引き、騎馬戦、最後にクラス対抗リレーがあります。応援合戦も得点に加算され、可愛い杏ちゃんはチアリーダーになりました。



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