天狼の彼方
□第3章 狼のすみか
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「……はぁっ!?なんで?ホテルに泊まれよっ!」
急に蓮は怒鳴った。
「誰?」
真悠が尋ねると、シッと蓮は指を口に当てた。
「……親父が来た。今俺のマンションの前だって。」
真悠は驚いてまたクスクスと笑った。
「笑い事じゃない!」
蓮は頭を抱えた。
急いで真悠を着替えさせ、蓮は送っていくと告げた。
「大丈夫。隆也に来てもらうから。」
「ここに呼んだら、さすがのアイツも感づくだろ?」
「平気よ。」
真悠はまたニコリと笑った。
「明日は逢える?」
「明日は隆也とデートなの。」
「俺の誘いより、アイツを優先するんだ。」
「当たり前じゃない。隆也は私の彼氏だから。」
蓮はぐいと真悠のあごを持ち上げ、強引に舌を口に押し込みかき回した。
玄関のドアがコンコンと叩かれた。
蓮がバンとドアを開けると、涼しい顔をした父親が待っていた。
「よぉ……あれ、君は?」
真悠を見つけて、柊は驚いた。
「こんばんは。お久しぶりです、柊おじ様。」
「確か、凉のところの…」
「長谷川真悠です。レン君とは仲良くしてもらってます。」
*