天狼の彼方

□第5章 狩人達
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数日前も、銀座の創作フレンチレストランとやらに呼び出された。

散々飲み食いしまくり、自力で支払える金額ではなくなったからだ。

里緒菜はすっかりろれつが回らなくなっていた。

高額の会計に激怒しつつ、一緒にいた従妹の華蓮と友達の真悠をそれぞれ寮に送り届けてやった。



「リオ、兄さんを困らせるんじゃないよ。家族カードを作るからこれからはクレジットで払いなさい。」

「パパありがとう!大好きよ!」

「リオを甘やかすなよ!」

待遇の違いに群青は呆れた。



「ところで、今の彼氏は誰なんだ?ちゃんと素性を教えなさい。」

トーストをかじりながら、群青が尋ねた。

「なんで彼氏が出来るたび、兄貴に報告しなきゃならないの?」

「可愛い妹が心配だからだ。」

こっそり身上調査をしていることまでは明かさなかった。

「何が可愛い妹よ!」

里緒菜はガブリとサラダを口に入れた。

「名前は比江嶋蓮。同い年で同じ大学よ。マユの幼なじみなの。」

「比江嶋?」

群青と父は目を合わせた。

「そいつの親父は天日財閥のナンバー2、比江嶋柊か?」

「確かそうよ。」



里緒菜は関心無いと言う顔を見せた。



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