山田センパイ
□第5章 愛する人のそばにいて
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「一体どうして今日の相澤はあんなに壊れてるの!?」
昼休み、OLばかりが席を占めるカフェで日替わりランチプレートのオムライスにスプーンを突き刺しながらシホは唸った。
「相澤チャンもいろいろ我慢の限界だったんじゃない?」
クスクスと笑いながら、エリカは同じく頼んだオムライスを口に運んだ。
「山田センパイの応援、まだ終わっていないのに相澤が無理やり連れ戻したみたい。」
営業一部で事務をしている同期のレイナが顔をしかめた。
「営一に楯突くとか有り得ないんだけどっ!」
シホは目を見開いた。
「困るのよぉ!山田センパイがいてくれないと仕事が回らなくて。」
「あんた達営一は5人も事務がいるんだから十分でしょ?」
「そうでも無いよ。一人の仕事量が多くて、突発の依頼も次々来るの。山田センパイが全体のスケジュールを見ながら割り振りしてくれて助かっていたのに!」
レイナはアイスコーヒーをゴクリと飲んだ。
「へぇぇ…」
シホは感心した。
食事を終え事務所に戻ると、染谷理と翔平が睨み合っていた。
「俺がいない間に何してくれるの。」
理は客先回りをしていて朝は不在だったのだ。
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