奥さまは子猫チャン

□第11章 旦那さまとの二日目の夜
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「あなたより10才も年上の俺が、まるで子供のように駄々をこねて、あなたを手に入れるために周りの迷惑も省みずに好き勝手をやってしまった。」

私は義臣さんのほっそりした頬に指を這わせました。

「最初は……戸惑いました。なぜ私なんだろうって。どんな人かも分からずにお嫁に来て、義臣さんの居ない夜を過ごして……でも逢うたびにあなたが私を愛してくださるのが分かってとても嬉しかった……あなたが居たから私の両親も会社の方達も救われた、呆れたりしませんよ。」

「それは全て紗菜子を手に入れるためだ。」

私の手を掴むとチュッチュと唇を押し付け、トロンとした瞳で義臣さんは私を虜にします。

「親父に俺が好きだと言ってくれて嬉しかった。あれはウソじゃないよね?」

「大好きです、ウソみたいに、好きなんです。義臣さんのこと、まだ全然知らないのに、頭の中はあなたのことばかり、私も一目惚れしたみたい、結婚式の日、初めて逢ったあなたに…」

義臣さんの頬を両手で挟み、私はおずおずと唇を合わせました。自分からキスするなんて生意気でしょうか?でも熱い心が抑えられないのです。

「紗菜子、もしかして、と言うかやっぱり、俺のこと、覚えていなかったんだ…」

跨がせるように私を抱え直し、義臣さんはとても残念そうにそう言いました。

「え、その、ごめんなさい、あのパーティーの日のことを何度思い返しても、義臣さんとお逢いした記憶が無いのです。」

「中庭に居たでしょ?」

「中庭……」

「猫と遊んでいた。」

「あ!」

そうです、私はあの日、お友達に誘われて初めてパーティーに行ったのです。まさか、お見合いパーティーだなんて知らなくて……



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