奥さまは子猫チャン

□第13章 大丈夫です
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下校時間になり、友莉と並んで帰りました。校門を出たら田中さんの車が待っているので、それまでにはいつもの元気な私に戻らなくては。田中さんも心配性ですからね。

「ねえ、今から紗菜子の家に行っていい?期末の勉強をしようよ!」

「うん!やろうやろう!」

ホッとしました。友莉と一緒なら無理をする必要は無いもの。

「お帰りなさいませ、紗菜子さま。今日はお友達とご一緒ですか?」

「はい!家で一緒にテスト勉強をするのです。」

「松藤友莉です。紗菜子とは幼稚園の頃からお友達なんですよ。」

「それは仲の良いことですね!紗菜子さま、今日はお顔の色がよろしくて何よりです。」

田中さんは笑顔を見せて私達を車に乗せ、いつもより安心したように楽しそうにお喋りしました。やっぱり気付いていたのかな、私が元気ないって……



田中さんの運転する車で、私達は桂のお屋敷に帰って来ました。

「やっと友莉をウチに呼べたね。」

「うん、楽しみにしてたんだー!実は、小さい頃にも桂のお屋敷に来たことがあるのよ。」

「おかえりなさいませ、紗菜子さま。」

執事の大森さんが恭しく玄関のドアを開けてくれました。

「いらっしゃいませ、松藤さま。田中から伺っております。ごゆっくりお過ごしくださいね。」

「ありがとうございます、お邪魔します!」

「ただいまー!」

「おかえりなさいませ、紗菜子さまぁ!」

パタパタとひよりさんが寄って来て、私から荷物をすかさず取り上げます。

「ひよりさんってば、片付けくらい自分で出来ます!」

「ダメですー!私のお仕事ですから!紗菜子さまは早くお友達とお部屋でゆっくりなさってください!」

「いらっしゃいませ、まあ、松藤のお嬢さま、お綺麗になられましたね!」

ひよりさんのあとから宮嶋さんもやって来ました。

「お久しぶりです。ここに来たのは小学生の頃でしたよね?私の紗菜子がお世話になっています。この子、とっても好い子でしょ?」

「ええ、お優しくてしっかり者で、あの義臣さまがベタ惚れですわ。」

宮嶋さんを交えてひとしきりお喋りをしたあと、私個人のお部屋になっている、ピンク色のフリル満載のお部屋に友莉を通すと、彼女は呆れて唸りました。

「うわー、これはずいぶん可愛らしいわね……義臣くんの趣味?」

「私のイメージだって、揃えたそうよ。」

「義臣くんから見た紗菜子って、こんなラブリーなイメージなんだぁ。体育祭の時もイチャイチャしまくりだったものね!」

「それを言わないでぇー!みんなが見ている前でいきなりキスしようとするから焦ったわ。」

ケタケタとお腹を抱えて笑っていると、宮嶋さんがコック長の中尾さんお手製の紅茶のシフォンケーキとアイスレモネードを持ってきてくれました。

「美味しい!」と頬張りました。美味し過ぎてなんだか涙が出そう!



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