奥さまは子猫チャン
□第14章 私が保護責任者ですが何か?
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面談室を出ると、義臣さんはすかさず私の手を掴みました。
「次はあなたのお友達に逢いに行こう。」
「は、はい……」
私は義臣さんを案内して3年C組に向かいました。教室には友莉のほか、杏ちゃんや麻美ちゃんや追試や補講のためにクラスメイトが揃っていて、義臣さんが顔を出した途端、「きゃあ!」と雄叫びが上がりました。
「いつも紗菜子がお世話になっています。」
ここでも礼儀正しく義臣さんは挨拶します。途端に女子達の目がハート……私の義臣さんにそんなに見惚れないでよ!
「あなた達が紗菜子のお友達の杏さんに麻美さんですね。仲よくしていただいてありがとうございます。良かったら今度我が家に遊びに来てくださいね。」
ツツっと中に割り込んで、義臣さんはクラリとするようなゴージャスな笑顔を向けました。杏ちゃんはちょっと困ったように顔を曇らせます。
「杏ちゃん、絶対遊びに来て!桂のお屋敷は昔の映画に出て来るようなレトロな洋館で、絶対、杏ちゃんの気に入るよ!」
すると、杏ちゃんは肩をフルフルと震わせ、突然声を上げて泣き出しました。
「紗菜子の……バカぁぁ!なんで友莉だけ結婚式に呼んで、私はお呼ばれしないのよぉ!私だって、紗菜子の親友でしょぉっ!」
「そうだよ!私だって、紗菜子の花嫁姿が見たかったんだから!」
麻美ちゃんもプクッと頬を膨らませて文句を言いました。
「ごめん、杏ちゃんも麻美ちゃんも私の親友だよ!」
「杏ちゃん、素直に紗菜子にそう言えばいいのに……」
私が杏ちゃんと麻美ちゃんを抱きしめると、二人は更にワーワーと泣きじゃくりました。友莉も呆れたように私達を抱きしめます。ああ、よかった、これで元の仲良しに戻れるんですね!
「実は急なことだったので結婚式には紗菜子の関係者をあまりお招き出来なかったのです。それで今度、私達の結婚を祝う会を催しますから、その時は必ずお招きしますよ。」
「結婚を祝う会、ですか?」
またまた義臣さんの突然の提案に、私はビックリしました。
「ええ、紗菜子のお友達や私の友人を招いて、パーティーを開きましょう。私の友人は、いわゆる『御曹司』ばかりですから、ご安心を。」
「あの、私も紗菜子さんのお友達ですが、お呼ばれしていただけますか?」
私達の間に麻耶とその他数人が割り込んで来ました。私、いつから麻耶と友達になったのでしょう?
「ええどうぞ、楽しみにして目いっぱいドレスアップしてくださいね!」
麻耶達は「きゃあ!」と嬉しそうにはしゃいでいました。
「義臣くんったら、一体何を企んでいるのかしらね?」
私の耳元で、友莉が意地悪く囁きました。
ええ本当に、義臣さんには驚かされるばかりですよー!
☆NEXT☆ 第15章 ベビードールで愛されて