奥さまは子猫チャン

□第16章 パーティーはデンジャラス
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「義臣くんたら、またもや紗菜子にデレデレね。しっかりしてよ!」

友莉はからかうように義臣さんの脇腹を肘で小突きました。

「友莉もいろいろアドバイスをありがとう。おかげで上手く行ったよ。」

「私の可愛い紗菜子のためだもの。協力は惜しまないわ。」

友莉が義臣さんに見せつけるように私を抱きしめると、大人気ない義臣さんはすかさず私の腕を掴んで引き戻しました。

「我が『リストランテ・トウヤ』へようこそ。フフ、自分達の結婚を祝う会を自分で開くなんて、ヨッシーらしいな。」

声を掛けられ振り向くと、まるでアイドルのように華やかで彫りの深い顔立ちのイケメンさんがニコリと微笑んでいました。

「こいつはこの店のオーナーで、俺の悪友の刀祢(とうや)拓真だよ。」

「お久しぶりです、紗菜子ちゃん。」

「あっ、あなたは!あの春のパーティーで、私に『大丈夫?』って声を掛けてくださった方ですよね?」

義臣さんが紹介したその男性を見て、私は思わず身を乗り出しました。

「俺のこと、覚えていてくれてうれしいよ。そうそう!猫と遊んでいた君に俺が声を掛けたおかげで、ヨッシーが君に一目惚れしてあちこち探し回ってめでたく結婚したんだよ。言ってみれば、俺が君達のキューピッドだから。」

拓真さんは私の手を握ると腰を屈めてチュッとキスしました。わーまるで騎士(ナイト)のようです!絵になり過ぎる、イケメン過ぎます!

「俺の紗菜子に、汚い手で触るんじゃない!」

義臣さんったら、イライラと拓真さんの腕を掴んで私から引き離します。

「ヨッシー、それは無いだろ?今日だって半年前から予約を取っていなければ押さえらないこの会場を、君達のために無理して貸しているんだ。少しはありがたがってくれ。」

「それもそうだな、感謝しているよ、拓真君。」

「全くこのお坊ちゃまは、苦労知らずで困るねぇ。」

拓真さんはケラケラ笑いながら義臣さんの肩を抱きました。

「義臣、俺達にも嫁さんを紹介しろよ。」

義臣さんの周りに華やかな方々がやってきて、次々と自己紹介をされました。みんな揃いも揃って長身のイケメンでお勤め先も大手ばかり、これで名だたる名家の御曹司なんだから鬼に金棒じゃないですか!

もちろん、その中でも一番輝いているのは私の義臣さんですけど……それはあとでこっそり義臣さんの耳元で囁きたいと思います。きっと喜んで熱ーいキスを降らせてくれるでしょう、うふふ。



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