奥さまは子猫チャン
□第16章 パーティーはデンジャラス
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「で?俺達のお相手はどのお姫様だい?」
大手アパレルメーカー勤務という田辺さんと、テレビ局の編成部にお務めの稲森さんが、義臣さんにそっと尋ねました。
「向こう側の派手な一団はどう?」
義臣さんは窓際でお喋りしながら私達の様子をチラチラ伺っている麻耶達に視線を送りました。実家が資産家の彼女達は小さな頃からパーティー慣れしているのでドレスもお化粧も派手に着飾っています。
「こちらの清楚なお嬢さんたちと違って、一歩間違えばキャバ嬢に見えなくもないな。」
「気に入らなければ無理にとは言わないが?」
「いや、せっかく現役女子高生と知り合えるチャンスなんだ。楽しませてもらおうか。」
「ったく、若い子を弄ぶなよ。」
「ククク、自分だって女子高生の嫁さんを貰って夜な夜な若い身体を満喫しているくせに。俺達にも夢を見させろよ。」
「俺は可愛い妻のために愛の限りを尽くしているんだ。お前らのような猛獣とは違うのさ。」
義臣さんは田辺さん達を麻耶達に紹介すると言い、私達の元を離れました。
「紗菜子、私達も楽しもう!」
友莉は私の腕を掴み、立食形式のテーブルでお皿いっぱい美味しい料理を取り分けました。ふと気付くと、いつの間にか私の友達と義臣さんのお友達がそれぞれカップルになっています……杏ちゃんや麻美ちゃんも、さっき紹介された義臣さんの高校の同級生でお医者さまだっていう堅実そうな方達とお喋りしていました。
「なんだかお見合いパーティーみたいだわ……」
「そうよ、御曹司達と恋をするって素敵でしょ?紗菜子の幸せをみんなにも分けてあげてよね。」
「えええっ!いつの間にそんな企画になったの?」
友莉はウフフと楽しそうに笑いました。私達の結婚を祝う会はどうなっちゃうの?
「紗菜子ちゃん、君の旦那さまはイイ男だろ?」
振り向くと、拓真さんがまたニコリと笑い掛けていました。
「はい、凄く素敵な方です。」
「どんなところが好き?」
「そうですね、真面目で誠実なところが……」
「ああいう堅物って案外エッチが激しくて、虜になるんでしょ?」
えええっ!?なぜそれを知っているんでしょう?私が答えられずに焦っていると、拓真さんはまたニコリとしました。
「君って可愛いよ。義臣が夢中になる訳だ。あの時俺が取り逃がさなければ、俺のものになっていたかな?大きな獲物を逃がした気分だね。」
スッと顔を近づけて、私の耳に甘く囁き息を吹きかけます。
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