奥さまは子猫チャン
□第18章 親友の心配
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男性同士で盛り上がっている三人を置いて、私と友莉は彼女の部屋に戻りました。
「友莉、元気が無いね?」
いつもと違い、友莉がなぜか大人しいのです。ベッドに並んで座り、友莉の手を握りました。
「拓真が来るなんて、思わなかった……だけど私のこと、全然構ってくれなかったわ。やっぱりあの時限りだったのかな?」
「ね、あのパーティーのあと、拓真さんと何かあったの?」
「何って?何にも無いわよー!ホテルのレストランに誘われて夜景を見ながらお食事して、そのまま家に送ってもらったわ。帰りにキスはしたけどね!」
「キス?」
ウフフと照れたように友莉は頬を染めました。
「だけど、挨拶程度のキスよ。紗菜子みたいなエロいキスじゃないわ!ちなみに、私はまだヴァージンだから。」
すると急に私を睨みつけ、両手をグーにして私の頬を両側からグリグリしごきました。
「紗菜子こそ、いつの間にあんな大人なエッチをするようになったのよ!しかも私やノブくんがすぐそばに居るって言うのにイチャイチャしてぇー!」
「ごめん!だって、義臣さんってエッチな気分になるとストップが効かなくなるんだもの……」
「困ったわよぉ!リビングで映画を見ている間にも紗菜子のエッチなアノ声が漏れて来て……ノブくんが急に肩を抱いてきたから焦って寝た振りしたら、そのままホントに寝ちゃったんだ。」
「桂兄弟って……手が早いのかな?」
プッと吹き出すと、私と友莉は揃って笑い転げました。
「友莉は、拓真さんのこと、好きなの?」
私が改めて尋ねると、友莉はとても困ったように眉を寄せました。
「拓真とは以前から知り合いだったの。でもパーティーでお話をして、凄く素敵な人だと思った……でも、女慣れしているから、私のようなオコチャマは本気で相手にしないわよ。私も……本気になったりしないわ。」
「あの、信成さんのことは、どう?」
「ノブくんは兄貴だもん!気の好いお友達よ?」
「そうなんだー。」
夜が更けるまでお喋りをして、大きなベッドで友莉と二人並んで眠りに就きました。彼女の寝息を聞きながら、だけどなかなか寝付けなくて……
そっと起き出し、部屋の鍵を閉めてお隣の部屋へ。トントンとノックすると義臣さんが顔を出しました。
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