奥さまは子猫チャン

□第26章 そばにいるから
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「紗菜子?」

義臣さんに肩を揺すられ、ハッとしました。

「どうしたの、そんな顔をして。」

ベッドに腰を掛けると、義臣さんはいつものように私を膝に抱えて抱き締めてくれました。

「大学、決まったんだね、おめでとう。だけど、附属で良かったの?」

スリスリと優しく私の頭を撫で、義臣さんは微笑みかけてくださました。

「はい……今まで、幼稚園から高校までずっと同じ顔触れで過ごしてきて……社会人になる前に新しい世界を知りたいって、友莉と話し合って、外部の大学に行こうと決めて……でも、新しい世界は、義臣さんが教えてくださるから、無理しなくてもいいんです……」

「それで、なぜそんなに悲しそうな顔をしているの?」

「友莉が……友莉が……」

私は義臣さんの胸に埋もれ、涙が出そうなのを必死で堪えながら、友莉と話した内容をとぎれとぎれに伝えました。

「拓真と友莉が……そうか、奴に詳しいことは聞いてみるよ。」

ギュッと抱きしめ頬をすり寄せ、義臣さんは私を慰めてくれました。

「俺は恋愛経験はさっぱりだから、男女のことはまるで分からない。何が正解なのかも分からない。だけど、紗菜子が悲しむことからは何があっても護ってやる。だから心配しないで、あなたのそばにいるから。泣きたいなら我慢しないで泣くんだよ。愚痴だっていくらでも言っていいんだよ。」

「義臣さん……」

「キスして落ち着くなら、一晩中しているよ。」

「キス……して、いっぱいして……」

義臣さんは微笑んで私の頬や額にチュッチュとキスを落としてくれました。

「大丈夫、きっとまた友莉と仲良しになれるよ。」

「義臣さん……!」

私は義臣さんの首に縋りつき、唇を合わせて沢山の愛撫を貰ったのです。



☆NEXT☆ 第27章 向き合って
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