山田センパイ
□第6章 家族になりたい
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山田美弥子はうろたえた。
目を覚ますとなぜか全裸でベッドの中にいた。
なぜか隣りには同じく全裸の相澤翔平がスヤスヤと眠っていた。
記憶を辿ってみる。
確か、染谷理に誘われて営業一部のメンバーと居酒屋に行った。
翔平と営業部の事務をしている女の子達も合流した。
理と松坂に進められ次々と酒を飲み干した。
お開きになって立ち上がると、めまいがした。
目の前に相澤の広い背中があって…
思い出すとズキズキと頭が痛む。
これは二日酔いの痛みだ。
しかし身体中に残る無数の赤い斑点は…
「おはよう美弥子。」
ハッとして横を見る。
うつ伏せに寝そべっていた翔平が目を開けニコリと笑った。
美弥子はタオルケットで身体を隠し彼の前に正座した。
「相澤…あの、あの、私は昨日何かした?」
「んー酔っ払って、俺に抱いて抱いてっておねだりしてた。」
「それはみんながいる前でのことなのっ!?」
顔をひきつらせ美弥子は翔平に掴み掛かった。
「いや、俺の前だけだよ。」
「良かったぁ…」
ハァァと深くため息を吐いた。
*