山田センパイ
□第8章 明日の恋模様
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「どうした?部長の話は何だったの?」
会議室から戻ってきた翔平の青ざめた顔を見て、シホは驚き声を掛けた。
「俺、営業一部に異動することになりました。明日付けだそうです。」
「えっ!?」
マナミもユウナも絶句した。
「…異動したくない。営業総務部にいたいです。」
「相澤チャン…」
エリカは顔を曇らせた。
「相澤、お前はもう学生じゃない。営業一部に必要な人間だから異動するんだ。行きたい行きたくないと言う問題ではない。」
美弥子がキツい口調でそう言った。
「はい……」
シュンとして、翔平はうなだれた。
「相澤チャンなら営業一部でもバリバリやっていけるわ!」
「お姉さん達のために合コンのセッティングよろしくね!」
エリカとシホが励ました。
スッと美弥子が立ち上がった。
「お茶を淹れてきます。」
一言残しスタスタと歩いていった。
「相澤!」
隣りの席から翔平の背中をポンと叩き、シホがツンツンと美弥子の後ろ姿を指差した。
「俺もお茶淹れてきまーす。」
「ごゆっくり!」
エリカはニコリとウインクし、親指を立てぐいっと翔平に向けた。
*