山田センパイ
□第15章 ヴァージンロード
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トントンとドアが叩かれた。
「お連れ様がいらっしゃいました。」
ウェイターが振り向いて道を開けた。
「今度は誰なんだ?」
眉を寄せ島津はムッとした。
「失礼します!」
ゼイゼイと上がる息を抑えながら、相澤翔平が現れた。
「部長!俺も中国に行きます!行かせてください!」
「いきなり何を言い出すんだ。そんなに染谷について行きたいのか?」
島津と平田は顔を見合わせた。
「違いますよぉ。」
エリカとシホが苦笑いしながら揃って手を横に振った。
「相澤…」
美弥子は立ち上がろうとした。
しかし腰を浮かせたところでグイと手を引かれ椅子に戻された。
理は彼女の手を離そうとはしなかった。
「それならお願いです。みや…山田さんの中国行きを無しにしてください!」
「相澤、これは決定事項だ。」
「なら俺、会社辞めて中国で働きます!」
「何をバカなことを言っているんだ!」
島津は呆れた。
「相澤君、落ち着いて理由を話してごらん。」
穏やかな笑顔で染谷礼二が話し掛けた。
「染谷さん、俺と美弥子は愛し合っています。だから、一分一秒も離れて居たくないんです…」
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