不機嫌なドルチェ
□第3章 ムース・リモーネ
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今日は商品企画室恒例、月一回の『市場調査』の日…
つまり、スイーツ食べ歩きの日、なのです!
いつもは和香さんもいるんですが、御曹司と本社の会議に出席のため、瑛太さんと二人で横浜の最近話題のお店に来ました。
「わぁぁぁっ!」
ショーケースに並ぶスイーツ達よ!今すぐ私がお腹に収めてあげるからね!
「みさとちゃんって、ホントにスイーツ大好きだよね。」
クスクスと瑛太さんが笑います。
「瑛太さんだって、人のこと言えないくらい大好きですよね!」
ニンマリと私も言い返しました。
私は夏限定レモンムースタルトと抹茶ケーキを、瑛太さんは白桃ムースとケーク・オランジュを選びました。
カフェテラスのテーブルに向かい合って座り、早速いただきます。
「いつもは彼女さんと食べ歩きするんですか?」
優しくてカッコいい瑛太さんなら、きっと可愛い彼女がいますよね!
しかし、なぜかしょんぼり。
「彼女はいないよ。ケーキの食べ歩きとか行くと、俺、語っちゃってドン引きされて振られてばっかりなんだ。」
「ええっ!私なら一緒に語り合うのに!」
「ハハハ!みさとちゃんが彼女だったら楽しいだろうね!」
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