Marry You
□第16章 君がいい
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穂波はニコリと笑顔を作った。
「ねえ、このチキングリルのベリーソース添えも美味しそう!」
素知らぬふりをしてメニューを指差し里沙子に促した。
「それいいね。前菜はチーズの盛り合わせとサラダで…お酒は決まった?」
俺と成也は訳が分からないまま、後ろの男性に触れる事なく穂波と里沙子に付き合って料理や酒を頼んだ。
男性には連れがいた。俺達より年上の、上品で綺麗な女性だ。仲良さそうに話をし、彼女達には気づいていない。
穂波も里沙子も視線を送ることはせず、運ばれてきた料理を楽しんだ。
話題の店だけあって女の子が喜びそうなお洒落な盛り付けで、きゃあきゃあとはしゃぎながらフォークを絡めパクパクと食べた。
携帯電話が震えた。
「葉月からだ。今から来るって。この店、時間に制限あった?」
「まだ大丈夫。葉月ならこのサラダとかお肉料理とかきっと気に入るよ。早く来ないかな!」
青山から駅一つなので20分くらいで合流出来ると返信が来た。
俺達はおしゃべりしながら葉月を待った。
「お待たせ!駅でヨシキに逢ったの。間に合って良かったわ。」
葉月と一緒に佳樹もやってきた。
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