天狼の彼方
□第3章 狼のすみか
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真悠が誘いに応じなければ、他の女の子を呼び、朝まで抱いて過ごした。
後腐れ無い関係を楽しむ女の子だけを蓮は選んで付き合った。
瑤の言う通り、部屋に独りでいることはほとんど無かった。
「レン、同じサークルの里緒菜って分かる?」
ベッドに寝そべり、蓮の胸に指を這わせて、真悠が尋ねた。
大学に入学してすぐ誘われるままに入ったテニスサークルのことか…
ナンパが目的だったから、顔を出さなくなっていた。
「リオナって…不破里緒菜?」
「そう。中高で一緒だったの。レンと遊びたいって言ってたわ。」
「ヤらせてくれるならイイよ。」
「はっきりしてるわね。」
クスクスと真悠は笑った。
長く柔らかな巻き髪に指を絡ませ、蓮は唇を寄せた。
「俺が他のオンナとヤっても、マユは平気なんだ。」
「今更そんなことを聞く?」
真悠は蓮に馬乗りになり、ふくよかな唇を重ねた。
突然、蓮の携帯電話が震えた。
無視していると一旦切れ、すぐにまた掛かってきた。
「女の子?」
「違うよ。」
「出れば?」
チッと舌を鳴らして蓮は応答した。
*