天狼の彼方
□第9章 初恋
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「電話させてごめん。勉強の邪魔じゃなかった?」
懐かしい蓮の声…
「全然大丈夫よ。どうしたの突然?」
ドキドキが止まらない…
「隆也に、ヨウが悩んでるって聞いたから…」
「やだ!そんな深刻な話はしてないわ。東京の大学に行こうかなってちょっと思っただけ。」
「いいじゃん。おいでよ東京に。」
あっさりと話す蓮に、瑤は身体が熱くなった。
「つーか、隆也に話して、なんで俺に相談しないんだよ。」
「えっ!だって…」
蓮に逢いたいから東京に行きたい、なんて言えないでしょ!
恥ずかしくて思わず携帯を握りしめた。
しばらく世間話をして、「じゃあ。」と蓮は言った。
「もう隆也になんか電話するなよ。」
「なんで?」
「アイツは彼女いるから。」
「レンだっているじゃない。ケーキ食べてる時の写真にマユちゃんとキレイな人が写っていたよ。」
「そんな写真まで送ってるのか!」
ぶつぶつと蓮は文句を言った。
「あれは彼女じゃないし、友達だし、超絶美人だけど中身オヤジだから!」
「オカマさんなの?」
「そう言う意味じゃないよ!」
天然ボケの瑤に蓮は大笑いした。
*