記念BOOK
□パパが子育て中
3ページ/6ページ
「レスター、起きなさい。朝ですよ」
レスターに声をかけ、身体をゆすってみてもなかなか起きる気がしない。
「しょうがない子だ・・・・・・こら!!!!レスター、起きなさい!!!!!」
「うぉおッ!?!!?!??!」
耳元で怒鳴れば、ビクッと震えたレスターが飛び起きた。
「おはよう、レスター」
「な、何だ、親父か・・・」
ほっとした顔をするレスターに笑顔で「朝食だよ、降りておいで」と言う。
「そうそう。寝る前にナイフの手入れをするのは良いけど、そのまま寝るのはいけないよ」
「はぁーい」
わかってるのかわかってないのかわからない返事をしたレスターに苦笑を浮かべつつ、続いて私の部屋にいるはずの二人を起こしに向かった。
ガチャッ
「っと・・・あぁ、ヴィンセントはもう起きていたのか」
眠そうに目をこすりながらコクコクッと頷いているヴィンセントの頬を「おはよう、ヴィンセント」と笑顔で撫でれば、ヴィンセントは嬉しそうに目を細めた。
ヴィンセントはまず先に蝋のマスクを作らなければならないためか、先にキッチンに降りて行った。
残るはボーだけだけど・・・
「ボー。起きなさい」
「・・・ん゛ー」
唸るようなその声。
「レスターもヴィンセントも、もう起きてるよ。ちゃんと起きなさい」
「ぱ、ぱ・・・ぁと、少し・・・」
「駄目だよ。ほら、起きて」
寝ぼけ眼でこっちを見たボーがこっちに手を伸ばす。
・・・抱き起してあげたいところだけど、今の私じゃ力不足。
私は抱き起す代わりにボーをそっと抱き締め「ほら、ちゃんと起きなさい」と言った。
軽く私の頬に頬擦りしたボーはのそのそと起き上がり、ベッドから降りた。
「顔を洗っておいで」
「ん・・・」
危なっかしい足取りだけど、顔を洗えば何とかなるだろう。