しりとり☆Time
□歌
1ページ/1ページ
「お前・・・歌、下手くそだな」
「なっ!?ひ、酷いですよ、マスター!!!!」
泣きそうな顔をしながら叫ぶカイトを見つつ「ぁ、悪い」と謝る。
「けどさ、お前・・・音も滅茶苦茶だし、いろいろ吃驚させられる歌声だよなぁ」
「そ、それはマスターがちゃんと僕に練習させなぃからっ・・・」
涙目のカイト。
あ、俺が苛めてるみたいだな。
カイト震えちまってるし。
「まぁ、お前は歌が下手くそだが――」
「マスターの馬鹿ぁっ」
俺が言葉を言い切る前に、カイトは部屋の隅っこで膝を抱えてしまった。
ぁーっと声を上げつつ、カイトに近づく。
「俺はお前の歌声好きだぞ」
「へ、下手くそって言ったのに、ですか?」
恐る恐る俺を見るカイトに「ぁー、まぁあれだ・・・」と頬を掻く。
「お前がどんなに歌が下手くそでも、お前だから愛せるってことだ」
「ふぇっ///!?」
顔を真っ赤にするカイト。
おい、そんな顔されたら、俺まで恥ずかしいだろうが。
「ほ、ほんとですかっ?どんなに音はずしても、どんなに歌詞間違えても、愛してくれますかっ?」
「愛せるって言ってんだろうが。これ以上言わせんな」
次第に恥ずかしくなってきた俺に向かって、カイトが「嬉しいですっ」と笑みを浮かべた。
「・・・ほら。さっさと歌の練習するぞ」
「はぃっ!」
元気よく返事をしたカイトが満面の笑みを浮かべたのを見て、俺も笑った。
歌