しりとり☆Time
□目印
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エドは小さい。
これを本人に言えば、凄い剣幕で怒られるから言わないけど。
エドはやっぱり小さい。
一緒にお出かけすると、たまに逸れてしまうことがある。
そんな時、周囲が人ごみだった場合は、エドを見つけることはなかなか難しい。
「・・・ハァッ」
さっきまで隣りいたはずのエドがいなくなっていたことに気付いた私は、大きなため息をついた。
しばらく周囲をきょろきょろと見渡したが、どうにも視界がよろしくない。
逸れたのが、こんな街のど真ん中だったことが一番最悪だ。
人々がごった返し、活気にあふれているこの中で、小さなエドを見つけるのは骨が折れる。
「エド、何処だ!エドワード!エドワード・エルリック!」
普段はあまり上げない大きな声でエドを呼ぶ。
しかし返事はない。
・・・いっそのこと「チビエド!何処だ!」と叫んだ方が良いだろうか。
すぐに見つかるだろうが、その後エドのご機嫌を取らなきゃいけないのは非常に困る。
「エドも私を探しているはずだし・・・」
私は特別身長が高いわけではない。平均だ。
だからエドも、人ごみに紛れる私を探すのには苦労していることだろう。
どうにかしてエドを探さなければと、私は視線を漂わせた。
「ぁ・・・」
視界の端に、ちらりと何かが映った気がした。
バッとそちらを見ていれば、結構離れた場所に、綺麗なものが消えた。
それは綺麗な金髪の三つ編み・・・
こんな人ごみの中なのに、その綺麗な三つ編みは、私の目をくぎ付けにさせるには十分だった。
私は「ちょっと失礼」と言いながら人ごみをかき分け、吸い寄せられるようにその三つ編みに近づいた。