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□クッキーにまつわる話
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「セブルスは、僕のクッキーを美味しいと思ってくれたから、取っておいてくれたんでしょう?それは、喜ぶべきことだよ」


「けどっ、そのせいで・・・」





「確かに、腐らせてしまったのはちょっといけなかったかもしれない。それでも、僕はセブルスが悪気がないことを知ってる。だから、怒る必要なんてどこにもない」


「兄様っ」





ギュッとセブルスを抱き締める。





「クッキーならまた焼いてあげる。いくらでも焼いてあげる。だから、何の心配もいらないから」




「は、ぃっ・・・」

「有難う、セブルス。僕のクッキーでセブルスがそこまでしてくれるなんて、思ってもみなかったよ」





つい口元に浮かんだ笑み。

セブルスは僕の顔を見て、僕が本当に怒ってないことを察してくれたのだろう。



ほっとした表情をしたセブルスは、また顔をふにゃっと歪めてポロポロ泣き出した。






慌ててその頭を撫でれば「うぅ、にぃっ、さまっ」と僕の胸に顔を摺り寄せてくる。


着ている服がセブルスの涙で大分濡れてしまっているけど、あまり気にする要素ではない。







「まだ掃除の途中だからすぐには出来ないけど、掃除が終ったらクッキーを焼いてあげよう」


「ぅれっ、しぃ・・・ですっ」





「うん。だから泣き止んで?セブルス。そして、笑って?」


「は、ぃっ、兄様っ」




涙をぐしぐしと拭い、ふにゃっと笑ったセブルスを、僕は再びギュッと抱き締めた。









その後、我が家にはクッキーの甘い香りが漂った。



END
お兄ちゃん特製クッキーは絶品。←
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