ROMA

□流星
13ページ/13ページ



夢の中で
流れる星を数える


…ううん、夢じゃない…

まぶたの裏で、たしかに星が流れた…
目が眩むほどにまばゆい耀きの尾を曳いて…


…ちぎ…
ちぎ……ちぎ……

…あっ……あぁ… …


…やっぱり
願い事なんて、無理…

真っ白に燃え尽きるまで
なんにも考えられない…




「…っつさん…、まっつさん、大丈夫?」
「ちぎ……」
視界が涙に滲んでちぎの顔がよく見えない。
「辛かった…?」
「…そんなもんやないよ…」
ちぎの首に腕を回して

抱きしめた

…愛しい愛しい愛しい私の…

最高…と呟くと、ちぎは私をぎゅっと抱きしめて
きっと頬を朱に染めて


上手くなったでしょう?
私が一番愛してるから
まっつさんを
私が一番愛してるんだよ

だから、いいの
流れ星に頼らなくても
ずっと、そばにいるの

だから、まっつさん
ずっと、そばにいてね
私だけのものでいてね…


…泣いてるの?ちぎ…


彼女の優しい腕の中で
柔らかい眠りに引き込まれて
もう、あとはわからない…

夢なんだろうかと訝りながら
星を抱いて眠るみたいに…


…泣いてるの?ちぎ…

…私は

 ちぎだけの

   ものやん…



2012.11.14


次の章へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ