ちぎた日記

□愛、それは…
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自由の翼はときどき重い


いとしい人の寝顔が朝の幸せだとしても、
それだけが幸せのすべてというわけじゃない。

いつもはそう言いきかせている。自分に。
その幸せを満喫できる今朝だ。
でもそろそろ起こそうか。


「まっつさーん…起きてよ」

珍しい。私より寝坊する彼女は。

「んー…いま、何時…」
「ちぎと朝ごはん食べる時間だよ」
「あー…今日、いろいろ忙しい……」
「分かってるからさあ」
「…眠い…」
「ちぎとの朝ごはんより睡眠をとる気だな…」

それもいいけどね。
まっつさんの寝顔を見てられる。
退団する前よりちょっと頬が柔らかになった、女らしい顔。

「美人だね、あいかわらず」

それに男前。それに可愛い。

「…あさこさんと付き合ってたなんて知らなかったよ」

まさおから聞かされた話。
まさおがあさこさんを好きだったことも知らなかったし、あさこさんがまっつさんと…
つまり、まっつさんはあの人を好きだったわけだ。

「かっこよかったもんねえ…」

あさこさんに似てると言われたことがある。まっつさんからじゃないけど。
まっつさんの好みなのか?
喜ぶべきなのか?

「ちぎ…」
「っえ?なに?」

寝てる。寝言か。
寝言で私を呼ぶんだ。このいとしい人は。

まっつさんは…

いまだに私を驚かせるネタを、
持ってるんだなあ…

楽しそうにブログ書いてるし。

だけど私のことは書かない。決して。
せしちゃんと会ったことを書くみたいに、別に何でもないように書くのは簡単だろうに。

そのぶん大切にされてると思う。

「まっつさん…有美さん…好きだよ…」

そっとキスして…

私もこの人を大切にしようと思う。ずっと。
バカみたいな嫉妬はやめて。


自由の翼はときどき重いけど

枷の重さじゃない

空気の抵抗だ


飛ぶための



end


2018.01.13
yumiさんのブログは見ない。のだが、ある日つい出来心で覗いてしまった。で、妄想したのがこれ。恋人だけど秘密なの。ブログには書かないの。ふふ…。我ながらアホだな。


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