黒子のバスケ

□青黄 @
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ドリブルの音。
飛び交うスキール音。

キュッ

一瞬の隙をついて
色の焦げた腕がシュートを撃つ。
投げられたボールはきれいに弧を描き
音を立てずしてネットをくぐる。

それを呆然と見ていた黄瀬涼太は
部活帰りの疲れた体に鞭を打ったせいか
膝が笑い、立っていられずに
コートに座り込んでしまった。

全身が重く、汗の量も尋常ではない。

「もう一本っス!!」

それでも、無理なのがわかっていても
どうしても今バスケがしたかった。

「てめぇもう無理だろ」
「次は絶対勝つっス!!」
「はぁ…」

テンテンと跳び跳ねるボールを拾い
タンクトップの前を掴んで
青峰大輝は自分の顔の汗を拭く。
呆れたのか、疲れたのか。
どちらにせよ青峰大輝のやる気は
とっくになくなっていた。

「黄瀬…帰んぞ」
「もう一回っス!!!」
「ちっ…」

青峰は面倒そうに
拾ったボールを放り投げて
つかつかと黄瀬に歩み寄った。
そのまま彼の二の腕を掴み持ち上げた。

「黄瀬テメッいい加減にしろよ」

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