ジョジョ第5部

□ジョルノの一日
1ページ/1ページ



朝はまず、起きない。

父の血のせいだろう。
仮にも半分は
吸血鬼の血が流れているのだから、
朝が苦手なのはきっとそのせいだろう。

起きるのは、15時。

ちょうど、太陽も南中し
沈み始める時間である。

自然と体に染みついた習慣なので、
目覚まし等は必要もない。

だが不思議なことに、
目を覚ますと
小さなアンティークテーブルには
スコーンやサンドイッチなどの
軽食がのっていて、
起き上がり床に足を下ろすと――


――必ずミスタを踏んでしまう。

しかも偶然転んでいる訳でなく、
ただ幸せそうに気を失っているのだ。

とりあえず体の丈夫なミスタを踏み越し、軽食にありつく。

それと同時進行で
庶務机の上の書類を点検する。

ペンやハンコなどを
入れなければいけないものと、
頭に入れなければならないものを
分けておき、前者を後で処理する。

ここまでを行うと特にやることもなくなってくる。

ただ時間だけが過ぎ、19時。

そろそろ、お腹が減ってくる。

この時、ミスタが起きていれば
パスタをつくってもらい
共に食事をするが、
起きていなのが常なので
出かける準備をして外に出る。

特にお気に入りの店もなく
ただ偶然現役時代(?)の仲間
フーゴの家を(ミスタに)
教えてもらったので押しかけに行く。

彼は頭がいいので
チャイムを鳴らしてから、
「ゴールド・エクス――」位まで言うと
少し勢いよく扉を開けて出迎えてくれる。

最近は理由も聞かず、
食事を出してくれるようになった。

彼の料理はそれとなく美味しい。

ミスタと比べると、
何かが足りない気がする。

会話という会話はあまりないが、
かつての仲間の命日が近くなると
少しその話をする。

いい思い出というものがないので、
やはり暗い話になってしまう。

他にここに来る時は、
彼が一応部下なのを思い出し
面倒なことを押しつけるときくらいだ。
人間誰だって怪我はしたくないだろう。

用もなくなると、彼の家を後にする。

自宅へまっすぐ帰宅する。

玄関の戸を開くとミスタがあきれて表情で
「また、フーゴのところか?」と聞く。

玄関の扉に押し倒され、
太く筋肉質な腕で
逃げられないようにされる。

結局素直に答えても、
はぐらかしても怒られる。

最終手段として――

「心配してくれてありがとうございます」

そう微笑みかけてあげると、
謝りながら少し離れた所の
壁を一突きする。

彼のパワーには
少々驚かされることが多い。

壊れた壁の修繕費は
給料から大幅に差し引く。

このあとは、傘下の集会みたいなのへの
顔だしがあったり無かったり。

ある時はそこで、ゲームとお酒を嗜む
(勿論未成年なんて関係ない)。

ギャンブルだけはみんな弱いらしい。

集会がない時は、
やはりミスタとお酒を飲む。

量に関係なくミスタが
酔って襲ってくる時もあれば、
愛人に間違えて告白してくる時もある。

それを見るのが
たまらなく楽しかったりする。

あとは、ただ茫然とシャワーを浴びて、
ベットへ戻る。
そして、また、その繰り返し。




おやすみなさい。



.

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ