ジョジョ第5部

□苺みかん
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ある晴れた何でもない日。

「なぁーなぁー、フーゴォ」
「…」

フーゴは足を組みながら
木で作られた椅子に座り
片足のみでバランスを取りながら
読書をしていた。

椅子の後ろに重心をおき
前を浮かせた状態で
前後に揺れ動く フーゴ。

組まれた太ももの上に
まるで辞書のような分厚い本をおき
右手で次のページの端を
摘まんでいた。

一方、仔猫のように呻く少年 ナランチャは
彼から少し離れた所に椅子をおき、
さほど高くない背もたれに手を掛け
椅子の足をカタカタと鳴らしていた。

「なぁ!!なぁってば!!!」
「うるさい!!!」

「ごめん…」

ナランチャは叱られたために
シュン…と頭を下げ、唇を尖らせた。

それを見たフーゴは「はぁ……」と
深い溜め息をして立ち上がり
近くのスタンドテーブルに本を置くと
ナランチャの真ん前に立った。

すると、
呆れたように腰に手を当てて
深い溜め息を再び吐いた。

「で、なに?」

せっかくの読書の邪魔をされたフーゴは
キレるまでにはいかなくとも
ナランチャの言動には
かなりの不快感を感じていた。

「あ〜んーと、実は…」
「…(イラッ)」




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