REBORN!
□骸×雲雀 月
1ページ/5ページ
「骸…」
自分の名前ではないような気がした。
あまりにも甘く、
酷く繊細な言葉に思えた。
「キス…しよ…」
この世界は狂っている――
そう思った。
何もかもが嘘で、
バラバラに崩された
パズルなんじゃないかと疑った。
それでも、自分自身がかわいくて、
幸せな【イマ】が本物だって
頭の片隅でそう悪魔が囁き続けた。
「ね…」
「だっ、だめです!!」
「そんなことしちゃ絶対だめです」
[はっ……!!]
―夢…?
「ですよね〜」
仰向けのまま、
ついさっきまで見ていた夢を
思い出していた。
―なんで起きてしまったんでしょう…。
「骸…」
「はぃ!?」
骸の上に影が被さった。
急に目の前に現れた影に声をかけられて、骸は思わず声を跳ね上げた。
「おはよう…」
「あ、おはようございます」
それは、学生服を身にまとい
骸の顔を覗き込んだ形で
挨拶をしてきた雲雀恭弥だった。
「もう行くから」
「あっはい…!!」
「いってらっしゃい、恭弥」と
腕を伸ばし、落ち着いてキスをすると、
「…名前で呼ぶな」と
少し赤らめた顔で、
「いってきます」を付け足した。
.