REBORN!

□骸×雲雀 月
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「骸…」

自分の名前ではないような気がした。

あまりにも甘く、
酷く繊細な言葉に思えた。

「キス…しよ…」

この世界は狂っている――
そう思った。

何もかもが嘘で、
バラバラに崩された
パズルなんじゃないかと疑った。

それでも、自分自身がかわいくて、
幸せな【イマ】が本物だって
頭の片隅でそう悪魔が囁き続けた。

「ね…」

「だっ、だめです!!」
「そんなことしちゃ絶対だめです」


[はっ……!!]

―夢…?

「ですよね〜」

仰向けのまま、
ついさっきまで見ていた夢を
思い出していた。

―なんで起きてしまったんでしょう…。

「骸…」
「はぃ!?」

骸の上に影が被さった。

急に目の前に現れた影に声をかけられて、骸は思わず声を跳ね上げた。

「おはよう…」
「あ、おはようございます」

それは、学生服を身にまとい
骸の顔を覗き込んだ形で
挨拶をしてきた雲雀恭弥だった。

「もう行くから」
「あっはい…!!」

「いってらっしゃい、恭弥」と
腕を伸ばし、落ち着いてキスをすると、
「…名前で呼ぶな」と
少し赤らめた顔で、
「いってきます」を付け足した。




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