NARUTO

□忍とは1
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砂隠れの里


薄暗い部屋

『……はい、風影様…』

「では、頼むぞ」


『……』


風影様に一つ会釈をする。
重々しい空気が漂う


一刻も早くこの場から離れたい
そういう思いで部屋を後にした



『……』

風影様から言われた事を混乱した頭で無理やり整理する

私は明日から木の葉の里の長期任務に行かねばならないらしい
期間は未定

木の葉隠れの里は先日他里の忍の奇襲部隊により奇襲攻撃を受け何人もの忍が犠牲になったと聞く
里もめちゃくちゃで、猫の手も借りたいくらいの惨事

その為上忍の私に声が掛かったらしい

下手な下忍や中忍よりも優れた忍の方が良いみたい

『……』


住み慣れた場所砂隠れの里。

一生離れるわけじゃないけれど、生まれ育った場所を離れるのはやはり寂しい

なによりも友、仲間との別れが


なによりも寂しい






「お、春歌じゃん?」

『あ…カンクロウ…』


「春歌」

「春歌っ!!」


『我愛羅、テ、マリ…』

やば……

『何か用 ?』


不自然なくらいに視線を外した




今、一番話したく無い人達…


「今から任務なんだけどさアンタも行かない?」


任務…


『え、と私はやもとくよ』

「何かあったのか」

『え』


そっぽを向き素っ気なく言ったモノだから勘の鋭い我愛羅に言われた


『な、にもっ』


目尻がジワリと熱くなる
鼻の奥がツンとする



きっと気を抜いてしまったら涙がこぼれ落ちる


『何も無いか、らっ!!じゃあ、私忙しいから…』

と告げて視線を会わさずその場を立ち去った

後ろの方から何だアイツと言うカンクロウの声


『ぅ…ッ!』


3人の姿が見えなくなると気が緩んだのか大粒の涙が頬をつたう

通い慣れた道、見慣れた風景を全速力で走る


今の私にはあの3人を見るのはツラい…


3人とは幼なじみで小さい頃から仲が良かった

3人は下忍で私は上忍。
だけど立場は違ってもたまに3人と任務に行った事だってあって

じゃれ合ったり口喧嘩やたまに殴り合いだって冗談だって言い合ってた3人
、そんな3人に…

長期任務


期限未定



こんな事言えない…


今まで一緒にいて育ち仲の良い友だからこそ、特別な絆があるこそ言えないんだ


言ってしまうと




辛くなる






『…く…、……』




私はただただ辛い現実に一人泣くしかなかった
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